今回の記事は、V.I.SOULが創業以来向き合い続けてきたリアクション一つテンヤ「笠岡スタイル」の“核”ともいえる道具──(「笠岡スタイルとは」ショア・オフショア共にリアクションで魚に反応させる唯一無二の一つテンヤ釣法)
「三笠テンヤシリーズ」がなぜ、季節・海域・状況を問わず多くのアングラーに選ばれ続けるのか?
その理由を、控えめながらリアルに紐解く内容です。
リアクションで魚のスイッチを入れる「笠岡スタイル」は、ショア/オフショア、浅場/深場、瀬戸内海/日本海/太平洋……どこでも再現できる釣法。
約40年釣りを続けてきて、こんなにワクワクが持続する釣りは他にありません。
この世界観を信じて実践してくれるユーザーさん、取り扱ってくださる店舗さんに心から感謝しつつ──
「三笠テンヤシリーズ」の根本思想を、少し噛み砕きながらまとめました。
極寒期の厳しいコンディションでも“売れる・釣れる”理由が、この記事で伝われば幸いです。
そもそも「三笠テンヤ」シリーズとは
瀬戸内海の真冬(12〜2月)は、かつて「完全オフシーズン」と言われていました。
しかしここ数年、実はこの 極寒期こそ三笠テンヤが活躍する時期でもあります。
具体的な店舗名は控えますが、ある有名店さんでは“冬場のテンヤ売上の9割ほどが三笠テンヤシリーズ”とお聞きしました。
極寒期は真鯛が最もナイーブになり、通常のテンヤでは反応を得にくいタイミングなのかもしれません…
そんな状態でも「三笠だから釣れる」として、多くのアングラーが選んでくれています。

ではなぜ、最も厳しい時期に「三笠テンヤシリーズ」が結果を出すのでしょうか?
形状の意味──“釣るためだけの設計思想”
三笠テンヤシリーズは大きく2系統。
- 三笠テンヤ(鉛)
- 超三笠テンヤ(タングステン)
ショア・オフショアを問わず、潮が速い瀬戸内海で徹底的に磨き上げられたシリーズです。

① 引っ張った方向に素直に動く「前面形状」
三笠の正面は“水を受けつつ逃す”という相反する動作を両立できるよう設計されています。
だから、シャクりでも、巻きでも、止めても動きが安定。
初心者でもテンポよく操作でき、上級者は繊細な入力で魅せることができます。
② 初動が速い“上部Vカット”
ロッドティップで「ピン」と入力すると、即座に反応。
この初動が魚のスイッチを入れるリアクション要素の核です。
浅場のショアテンヤでは「ピンピン」の2回シャクリ、深場(二枚潮)では「グン」と1回しっかり入れる。
③ フォール姿勢を安定させる“下部Vカット”
三笠シリーズが最も差をつけるのが“Tフォール姿勢”。
変な揺れが出ず、安定した食わせの間を作れるから、ナイーブな真鯛に最も嫌われないフォールが成立。
極寒期に釣れる最も大きな理由がここ。※シャクリ波動とのメリハリも重要
④ キャスト時の「横フォルムドリフト」
岸・船どちらでも、潮をほどよく受ける角度を持っているため、テンヤが変に流されすぎず、スムーズに“意図したライン”を描いてくれます。
足場が固定されたショアテンヤで、真鯛の潮が流れている時に実践すると、操作性の高さを感じられるでしょう。
⑤ 門外不出の味付け2つ
細部の比率・角度・重量配分・密度など、図面では表せない“味付け”が存在します。
多くは企業秘密ですが、これが「意図通りに動くテンヤ」の根幹です。
「笠岡スタイル」は“エサとルアーの融合”で成り立つ釣り
笠岡スタイルは以下の3ステップで構成されます。
- 着底(ボトム感知)
- 機敏なシャクリでリアクション
- Tフォールで食わせの間を作る
三笠テンヤは、この一連の動きを“意図したとおりに成立させる”ためだけに作られています。

エサだから食うのではなく、アクションが魚を引き寄せ、“エサ付きのテンヤ”だから口を使う。
これが笠岡スタイルの本質であり、エサ釣りでもルアーフィッシングでもない、第三のジャンルとも言える一つテンヤの進化形がここにあります。
浅場のキャストも、深場のバーチカルも、入力ひとつで動きが破綻せず成立するのは、その設計に理由があります。

ダートが必要ない理由
特に真鯛は“強い横滑りアクション(ダート)”を嫌う傾向があります。
ナイーブな時期ほどそれが顕著で、「違和感のない直線的な動き」「素直で破綻しない軌道」この2つが釣果を大きく分けます。
三笠テンヤシリーズは、上方向・斜め方向・巻き上げのどれでも挙動が破綻せず、小さな入力に対して素直に反応するよう設計されています。
これは“リアクションでスイッチを入れ、Tフォールで食わせる”という笠岡スタイルの思想に完全に合致した動きであり、だからこそダートが必要ないのです。
カラーは機能
V.I.SOULのカラー展開は、デザイン性ではなく 「反応が返ってくる色」だけを残した機能色 です。
「光量」「濁り」「季節」「魚種のクセ」など…

これらの条件が噛み合ったとき、色は“ただの見た目”ではなく、ひとつの武器になります。
もし1つ選べと言われたら、私としては「クレイジーレッド」か「CRゴールド」。
どんなシーズンでも、どんな海でも「反応が返ってくる色」で、サーチカラーとしての信頼度も高い──※あくまでも経験則
カラーは“機能”として使っていただきたい一方で、嗜好性に振っても全く問題ありません。
むしろ執着しすぎず、柔軟に選ぶ方が釣果につながる場面も多いです。
切っても切れない相棒「エビズレン」
「三笠テンヤシリーズ」の性能を最大限に引き出すうえで欠かせないのが、
エビのズレを極限まで抑えるための専用パーツ、元祖「エビズレン」です。
テンヤの動きが機敏であればあるほど、ちょっとしたズレが“潮受けの変化”としてすぐに動作へ反映されます。
特にナイーブな魚は、そのわずかな違和感だけで口を使わなくなることも珍しくありません。

エビズレンは、その弱点を補う“縁の下の力持ち”。
- エビがズレにくい
- 余計な抵抗が増えず操作性が保たれる
- テンヤ本来の姿勢と波動を維持できる
この3点が揃うことで、「三笠テンヤシリーズ」の設計思想がよりクリアに伝わり、狙った通りの“エサとルアーの融合アクション” を再現できるようになります。
実際、極寒期・低活性の真鯛を相手にすると、“エサがズレない”というだけで釣果が大きく変わる局面が多いです。
どのテンヤにも装着できる汎用性があるので、まだ使ったことがない方は一度お試しいただけると、「なぜ必要なのか」がすぐに体感できると思います。
たった一種類で「全局面」を攻略できる理由
ここまで紹介してきた通り、「三笠テンヤシリーズ」は一つテンヤという枠を超え、キャスティング・バーチカル・シャロー・ディープ・ショア・オフショア──どの局面でも成立する“汎用性と再現性”を備えています。
これは偶然ではなく、「笠岡スタイル」の展開動作を成立させるための形状・姿勢・波動が一貫しているから。
この「統一された挙動」があるからこそ、どこの海で使っても、違うターゲットでも、アングラーが“釣りの組み立て”を崩さなくて良い。
号数展開も1mレンジから150m超まで対応し、さらにエビズレンとの組み合わせで“安定した姿勢”を維持できる。
結果として、一種類で全局面を攻略できる“武器になるテンヤ” に仕上げた。
V.I.SOULとしてはこれ以上ラインナップを増やすつもりはなく、「必要なものは、全部このシリーズに詰めた」というのが正直なところです。
最後に
ここまで読んでくださったあなたは、きっと熱心な“ヒトツテンヤー”だと思います。
三笠テンヤシリーズは、テンヤそのものの性能を理解し、再現性を大切にするアングラーほど、本来の力を発揮してくれます。
創業以前から変わらず、私たちはこの釣りにワクワクし、胸を熱くし、その世界観を共有したい一心で走ってきました。
そんな想いに共鳴してくださる方が少しずつ増え、大切な休日や大切なお金を使って、V.I.SOULのアイテムを選んでいただける──
その事実は、当たり前ではなく、私たちにとっては“奇跡的”。
これからも、現場で役に立つ情報と、リアクション一つテンヤ「笠岡スタイル」の魅力を、丁寧に伝えていきます。
そして、変わらずあなたと一緒に、“次の魚”“次の景色”“次の興奮”を追いかけられたら嬉しいです。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。



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