今回の記事では、東京湾内「館山湾」で挑戦した、リアクション一つテンヤ&ロックフィッシュのレンタルボート攻略を紹介します。
地元・瀬戸内で磨いてきた「笠岡スタイル」が、館山湾でも通用するのか──。その検証の様子を、時系列に沿ってまとめました。興味がある人は最後までお付き合いください。
岡山空港から羽田空港へ
岡山人なのに、実は“岡山桃太郎空港”は初利用という不思議な感覚の中、空の旅に出発!一路、羽田空港へ──。
初日はほぼ移動日だったので、リラックスしながら拠点となる茨城県某所へ夕方到着。
翌日は現場検証のため房総半島をほぼ一周。今回お世話になったHさんと各所を下見。
急遽の予定変更はあったが、6月18日から19日まで、東京湾内「館山湾」の“レンタルボート”攻略を決行!
バーチカルのリアクション・一つテンヤ「笠岡スタイル」と、岩礁帯上等「裏三笠」がどこまで通用するのか──興味は尽きなかった。(「笠岡スタイルとは」ショア・オフショア共にリアクションで魚に反応させる唯一無二の一つテンヤ釣法)
バーチカル「笠岡スタイル」×岩礁帯上等「裏三笠」
そして迎えた当日。
いよいよ楽しみにしていた“レンタルボート”での、バーチカル「笠岡スタイル」×岩礁帯上等「裏三笠」攻略!
お世話になったのは、館山湾の「げんべい」さん。
どこまで通用するか──ワクワク半分、不安半分。とはいえ内心、「いや、通用するでしょ」と根拠のない自信もあったのはここだけの話^^
最高の海況の中で「館山湾」へ!
日差しは強かったが、ウネリも無くベタ凪の快晴。潮風が心地よく、最高のスタートを切った。
船にはGPSプロッタと、自作のポイントマップを完備。
まずは真鯛の瀬へ直行し、潮の流れと船の流され方をじっくり観察する。
すでにノッコミの最盛期は過ぎていたが、潮さえ読めばまだ十分にチャンスはある。
そんな中、まだ遊漁船が入ってはいけない時間帯なのに、なぜか二隻の遊漁船が…
近くのレンタルボートが瀬に寄ると、船上から怒声が飛ぶという謎の展開。
そこで我々は無理せず、瀬の肩あたり──掛け下がりを中心に流すことにした。
結果的に、これが大正解となる。
まずはバーチカル「笠岡スタイル」で様子を探る
現場は既に良い感じの“上げ潮”が流れていて、釣れる雰囲気は満点!
バーチカルの先発ロッドは、「VRKB-LV1」に「超三笠テンヤ」10号クレイジーレッドを選択。※12号でも良かった
そして、使用するエサは厳選「活冷凍エビ」!このエビは本現場検証のため、事前にHさん宅に送った。ありがとうございます。
本ブログでも何度か紹介しているが、冷凍エビを使う際は、下の画像のように「孫鈎をエビの胴体」に刺すのが基本。
理由はシンプルで、シャクった時などに水圧で頭が取れても、胴体に孫鈎が残るため、釣りを中断せず続行できるからだ。
これまでの実践経験からも、頭が取れても釣果への影響はほとんどない。
冷凍エビを多用する人にとっては、ストレスを大きく減らせるポイントなので、ぜひお試しください。
真鯛の瀬を“掛け下がりで攻略”する大きな理由
真鯛の瀬は、テンコツ(水深10m台)から瀬の肩あたりで約40m。
何度か流して全体の雰囲気を掴み、掛け上がりではなく“掛け下がり”を重点的に攻める戦術を選択。
理由は、レンタルボートをドテラで流すと、掛け上がりではテンヤが斜めに入りやすく、根掛かりが連発になる。
この感覚は、遊漁船に乗っていても同じ。掛けあがり局面で船先行だと根掛かり地獄。
「一つテンヤ=根掛かりが多い」と勘違いされている、ひとつの理由だ。あと最適なタックル類も重要。
話を本筋に戻すが、一発目に釣れたのはHさんが回収中に掛けた“マサバ”。
少し恥ずかしそうに「釣れちゃいましたー」と苦笑いし、個体が良くなかったので即リリース。
東京湾内「館山湾」で“ホウキハタ”捕獲!
少しずつ船の流すラインを変え、掛け下がり35m付近で「ゴンッ!」と明確なリアクションバイト!
引きはそこまで強くなかったが、ヘッドシェイクが激しい。
「これは良い根魚っぽいな」と上げてくると──
「クエ?あっ!ホウキハターー!!」と、思わず声が出るw
Hさんも「ホウキハタですか?初めて見ました!」と目を丸くし、開始早々から館山湾のポテンシャルを実感。
落とせばアタル、何かが釣れるを繰り返し、開始1時間半ほどでお腹いっぱい状態に。
その後も、アヤメカサゴや、良・大型のカサゴ、手のひら大以上のカワハギが忙しく釣れ続け、リアクション一つテンヤの本領発揮!
全部撮影してたらキリがないので、いつものように割愛しています。
キャスティング「裏三笠」根魚が乱舞
そんな中、まだ上げ潮が残るタイミングで、私が何気なく「ロック、気になりますね〜」と一言…
そこから流れるように、オリジナルのポイントマップを頼りに“ロックフィッシュ攻略”へシフト。
とはいえ、マップはあくまで目安。実際の地形や潮の速さ、魚の付き場を探すのは自分たちの仕事。
地元でも関東でも、やることは同じ──現場で感じて組み立てる。
船の流れや水深を見ながら、まずは「裏三笠」8号(II型)でスタート。すぐに10号に切り替え、島際の一桁台シャローを重点的に攻める。
一番浅い場所では海底がはっきり目視でき、追ってくるアカハタの姿も確認できるほど。
中型アカハタ、大型カサゴ連発
キャスト後にフリーフォールで着底、やや速めの巻きでリアクションを意識したアプローチ。
すると、5回転もしないうちに──「ガッガッ!」と超強烈なバイト!!
前情報では「小型が多い」と聞いていたが、のっけからロッドを叩くような強烈な引き。
上がってきたのは、想定を超える良型アカハタ!
その瞬間、現場の空気がガラッと変わった。
潮の走り方、ボトムの質、魚からの反応──すべてが噛み合っていると感じ、「これ、デカいのもおるな」と確信。
ここから一気に精度を上げ、ピンで狙う“巻きの戦術”にシフトした。
瀬戸内海ではなかなか釣れないサイズのカサゴも良く釣れ、館山湾の海の豊かさに感激。
アグレッシブに巻きで反応するカサゴは、引きも強くメインターゲットになりうる魚の一つだ。
Hさんはというと、落とせる時に「超三笠」8号でバーチカルに攻め、30㎝に届くような大型カサゴやカワハギと戯れる。※6号でも余裕
巻きで大型のアカハタにスイッチオン
私はというと、徐々に大型アカハタとの距離を詰め、少し速めの巻きで「ガン!」
「ヘッドの波動」「カラー」「最適なワーム」の3点を合致させて、大型アカハタ捕獲成功。
この海域でも例外なく「裏三笠」がしっかり結果を出してくれる。
「もう十分釣ったね〜」なんて冗談を交わしながらも、Hさんは釣ってはリリースを続けた。
まだ時刻は9時を少し過ぎた頃の話…
ロック用タックルを海に奉納、その変わりに大型アカハタ
下げ潮が返し始めたタイミングで場所を移動。
激流の瀬を中心に根魚を狙っていたが、流れが速すぎて反応は薄い…。
そこで流れの筋を少し外したラインを流し直したところ、Hさんがバーチカルで大型アカハタをヒットさせた!
キャスト中だった私はリグを素早く安全領域まで回収し、タモ入れ&撮影に全力対応。
「40ありますね〜!」と2人で喜びを分かち合い、次の準備に取りかかろうとした瞬間——
ロック用タックルが、どこにも無い……。
安全な位置までリグを回収したつもりが、想定以上に瀬の傾斜がきつく、リグが海底を拾い“そのまま落下”というまさかの展開。
一瞬、時が止まったが、落ち込んでばかりもいられない。
5分後には気持ちを切り替え、再び現場検証に没頭した…
バーチカルの「笠岡スタイル」圧巻のアタリ
さすがに、千葉の館山まで来て、たった3時間足らずで終わるのも勿体無いので、下げ潮をフラフラとポイント開拓しながら、エンドレスに続くアタリを2人で堪能!
ロック用タックルがないので岩礁帯は見切り、砂地やゴロタ場のような変化があるポイントを点々とし、サイズこそ出なかったが東京湾真鯛捕獲。
手のひらを越える大型のカワハギなど、思う存分、東京湾内「館山湾」を満喫できた現場検証だった!
という事で12時過ぎに帰港し、ゆっくり片付けて遅めの昼食にラーメンを食べた。
そして、次の日に備えてこの日も早めの就寝についた。
3日目はテーマを大きく変更、再度レンタルボート
昨日のレンタルボートで、明確な手応えを感じた我々。
その勢いのまま、翌日も続けてレンタルボートで出撃することに。
急きょの決断ではあったが──まさかこの選択が、「天国と地獄」を味わうことになるとは、まだ知る由もなかった。
アクアラインを抜け館山へ
夜明け前、5時過ぎにホテルを出発。湾岸線からアクアラインを抜け、再び館山へと向かった。
レンタル2日目も、朝の上げ潮は“真鯛の瀬”を選択。
前日同様、掛け下がりを「VRKB-LV1」でバーチカルで攻略する。
初魚種!正真正銘「ワニゴチ」捕獲成功!!
すぐのテンションフォール中、「ガツッ!」と強烈な衝撃が伝わり、ずっしりとした重量感に、ヘッドシェイクを絡めた得体の知れない引き。
「ん?なんだこれ??」胸の高鳴りを抑えながら慎重に上げてくると、
ユラ〜ッと現れたのは、茶色く平たいシルエット。「マゴチ?…いや、イネゴチ?」一瞬そう思ったが、数秒後に確信。
「あー違うーー!ワニゴチじゃーー!!」
前日のホウキハタを彷彿とさせる大興奮。館山湾のポテンシャル、ここに極まれり──。
最大クラスの長さ(70)に、重量感のある正真正銘“大型ワニゴチ”捕獲成功!
ホウキハタ同様、レンタルボート屋さんも「見たことないです」と言ってたのがとても印象的だった…
そこから、ロックフィッシュ用タックルが無いので、バーチカルの「笠岡スタイル」メインで展開し、定点カメラで手探りで撮影を続けた。
なので、画像が非常に少ないが、前日までとはいかないが、釣果の方は良い感じで釣れていた。
前日に落としたタックルを、奇跡的に回収
そんな中、ランガンで各所を周り、上げの残り潮を狙って、昨日タックルを落としたポイントへ。
別に意識はしてなかったが、そのポイント付近にボートが差し掛かった時「あれ?棒が浮いてる?!」と思い、よーく直視すると…
「あーー!オレのタックル浮いとる!!!」と、今回、三度の絶叫が館山湾に響き渡る。
奇跡的な回収劇、これが「天国」です。
ここからは釣りもままならず、中型アカハタなどを獲ったが証拠はなし…
そんな感じで、タックルの回収を終え「オレの仕事終わった」と力が抜け、昼過ぎに帰港することに。
ぶっつけ本番の初見のポイントだったが、2日間、納得の釣果になったと思う。
今回の遠征では、ちょっと考えられない事象のオンパレードで、その都度、なんとか調整できた。
3日間ガッツリ一緒だったHさん、ありがとうございました〜!また機会があればお会いしましょう。
今回の動画
定点カメラでの撮影していたが、まさかの設定ミスでスローモーション動画に、、、
これが「地獄」です。
今回のポイント
① 最大のポイントは、「笠岡スタイル」と「裏三笠」を融合させた2軸展開。バーチカルとロック、両方の要素を組み合わせた攻めが館山湾でもハマった。
② バーチカルでは、根掛かりを回避するため“掛け下がり”をベイトタックルで丁寧に攻略。ラインを出しながらテンションフォールを軸に、ボトムの変化を正確に感じ取るのがコツ。
③ 5m前後のシャローでは「巻きのリアクション」で中〜大型アカハタを狙い撃ち。速めの巻きスピードから、瞬時にクラッチを切ったフォールとのメリハリ。
今回のタックル
★【ロッド】
①バーチカル「リアクション一つテンヤ」
「VRKB-LV1」
②ボートロックフィッシュ
「VR-X 85B LV2」
★【リール/メインライン/リーダー】
①小型両軸リール
PE0.6号200m/フロロ2.5号1.5m
②小型両軸リール
PE1.5号200m/フロロ6号1.5m
★【リグ/仕掛け】
①「超三笠」8~10号
クレイジーレッド、Bグリーンゴールド、ブラックダイヤモンドG
②「裏三笠」(II型遊動)8~10号
グリキン、マダコ
★【オフセットフック】
②3/0太軸
★【冷凍エビ/ワーム】
①厳選「活冷凍エビ」
②約4インチのシャッド系※すぐに壊れないワームが良い
最後に
東京湾内「館山湾」で挑んだ、バーチカルリアクション・一つテンヤ「笠岡スタイル」と、“岩礁帯上等”「裏三笠」の2軸展開、いかがでしたでしょうか。
まさに、エサとルアーの良い部分を掛け合わせた結果だと思います。
どちらか一方ではなく、二つをバランスよく取り入れることで、新たな発見や、これまで出会えなかった魚に出会えるかもしれません。
少しでも興味を持たれた方は、ぜひご自身の海域でも試してみてください。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
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👉 愛南ロックフィッシュ攻略|巻き巻きドーン!遠征釣行レポート
今回登場した「裏三笠」の仕様などは、[公式ページ]にまとめています。
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