今回の記事は、ショアテンヤで多くの人が直面する「根掛かり対策」がテーマです。
せっかく楽しい釣法に挑戦しても、仕掛けのロストが続くと心が折れてしまうもの。
ですが、ちょっとした工夫を積み重ねるだけで、根掛かりは大幅に減らせます。
ここでは、実釣経験から導き出した 6つの回避法 を紹介します。
準備・操作・タックルの工夫を押さえれば、ショアテンヤをもっと快適に楽しむことができます。
興味がある人はぜひ最後までお付き合いください。
ショアテンヤで根掛かりが多い理由
ショアテンヤは、ボトムを基点に展開する釣り方です。
船からのように「掛け下がり」を攻められず、陸からは「掛け上がり」での勝負が多くなるため、根掛かりのリスクが高まります。
また、潮の流れや水深の把握、テンヤ号数の選択を誤ると、底取りが難しくなり根掛かりはさらに増加。
荒い岩礁帯なら、どんなリグを使っても根掛かりは避けられません。
ただし、事前準備や操作の工夫次第で、そのリスクを大きく減らすことは可能です。
次のセクションでは、その具体的な方法を6つに整理して紹介します。
①エントリーする場所を俯瞰して見る
ポイントに入る前に、まずはスマホアプリを使って「上からのイメージ」を固めておきましょう。
1つ目は Googleマップ(航空写真モード)。
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上から地形を把握(水道か張り出しかなど)
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海底の色の濃さでブレイクラインを確認
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潮の流れをイメージ(方向・速さ・反転流など)
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沈み根や障害物を把握(浅場が中心)
2つ目は 海釣図V(有料/無料お試しあり)。
出典先:海釣図V
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おおよその水深をイメージ
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近くに深場があるかを確認
- Googleマップでのイメージと擦り合わせて、より精度の高い下見を行う
つまり、事前にデジタルで下見をしておくことが根掛かり回避の近道です。
経験を重ねるほど効果は増しますが、この準備だけで根掛かりは激減し、釣果にも直結します。
②干潮時にエントリー場所を確かめる
デジタル下見をしたら、次は干潮時に自分の目で地形を確認しましょう。
現場を直接見ることで、根掛かりリスクの高い場所がより具体的にイメージできます。
主なエントリー場所は以下の3つです。
・磯や岩場:沈み根(シモリ)の位置や、岩がどのように張り出しているか
・砂浜(サーフ):沈み根や藻の位置、ブレイクライン
補足:道路や生活道路の近くにあるポイントも存在しますが、交通法規や安全面を最優先に。無理な駐車や危険な行為は避けましょう。
潮位が50㎝前後のタイミングで確認できれば、実釣時に大きな助けとなるでしょう。
↓干潮時(潮位70㎝)に現れる大岩↓
↓満潮時(潮位330㎝)には隠れる大岩↓
この作業を意識的に行う人は意外と少ないですが、一度目で確かめておくだけで根掛かり回避率は大きく変わります。
③タックル類の不安要素を全て排除する
ショアテンヤはシンプルに見えますが、ロッド・リール・ライン・テンヤ・エサ(ワーム)の5要素が噛み合わないと、根掛かりは増えがちです。
逆に言えば、ここを最適化するだけで根掛かり回避率は一気に上がります。
【ロッド&リール】
ショア一つテンヤ専用「VR-X 92S LV2」
ショアテンヤ専用設計の「VR-X 92S LV2」がおすすめ。ティップの張りとパワーのバランスが絶妙で、ストレスなくテンヤを操作できます。
リールは3000〜4000番のハイギアタイプ。糸フケを素早く制御でき、根掛かりリスクを減らせます。
PE0.6号(8本撚り)が基準。潮流が速い外海や大型狙いならPE1号でもOK。結束は必ずFGノットで確実に。
活きエビもワームも「潮の受け方」が重要。大きさやシルエットで抵抗が変わるので、現場で使い分けることで操作性を保てます。
💡 ポイントは、タックルを流用しないこと。
専用設計のタックルを使うだけで、根掛かりは劇的に減ります。最初の投資は必要ですが、ロストやストレスを考えればむしろ経済的。上達したい人にとっては特におすすめです。
④カウントを数えるクセをつける
根掛かりを減らすうえで大切なのが「カウントを数える習慣」です。地味に思えるかもしれませんが、この一手間が回避率を大きく変えます。
水深を把握するカウント
キャストして着底するまでのカウントを数えることで、水深を数値として把握できます。
- 普段は15カウントで着底 → 20を超えても底が取れない
→ この時点でラインを止めれば、不要な根掛かりを防げます。
目安がなければラインを出し続けてしまい、根掛かりやラインロストにつながります。
サイクル数をカウント
もう一つは「シャクリ動作のサイクル数」を意識することです。
ここでは1サイクルを「シャクリ → テンションフォール → 着底 →糸ふけ回収」とし、便宜的に1サイクル=1mと考えます。
- 例:40mキャスト → 30サイクルで敷石に差しかかり根掛かり必至
→ 25サイクルで回収すれば、回避可能。
場所によって敷石の規模は異なるため、経験や想像力も必要です。
数値を意識することで「自分で釣りをコントロールしている感覚」が得られます。最初はイメージしづらくても、練習を重ねれば自然と身につき、根掛かり回避に直結します。
⑤「テンヤ」を潮上にキャストして潮に乗せる
潮流が速い場面(真鯛の潮)では、テンヤを潮上にキャストしてドリフトさせるのが基本。
潮に逆らって引っ張るよりも、潮に乗せたほうがテンヤは浮き上がりやすく、海底の石や岩をかわしやすくなり、根掛かりを防げます。
さらに、潮に乗せることでテンヤをシャクリやすくなり、魚にスイッチを入れやすい状況を作れます。逆に潮に逆らってシャクると、潮の抵抗で「活きエビ」でも頭が取れやすくなります。
詳しいキャスト方向や実演は、下の「根掛かり回避動画」(12:50あたり)で解説していますので、あわせてご覧ください。
⑥最終奥義:いきなりテンヤを投げない
これは、メーカー目線で「公開して大丈夫?」と心配になるほどの情報です。最終奥義的な根掛かり回避のコツは、いきなりテンヤを投げないこと。
特に、事前に「海底情報」が分からない状況では、非常に頼りになる方法です。
まずは適切な重さのオモリを投げ、底を探ってみましょう。もし「ガチャガチャ」とした感触があれば、そのポイントにテンヤを投げるのはNGです。少し手間はかかりますが、無駄なロストを防げるので結果的には得策です。
また、岩礁帯攻略アイテム「裏三笠」をキャストすれば、根掛かりポイントの調査と同時に根魚も狙えるので一石二鳥です。(※2025年7月追記)
実際、多くのフィールドでは着底と同時に根掛かりする「ガチャガチャ」な場所が存在します。ぜひこの方法を活用して、テンヤのロストを最小限にショアテンヤをお楽しみください。
今回の動画
今回の動画では、本記事で解説した根掛かり回避の6つのポイントを、より視覚的に、そして実践的にご覧いただけます。
一つテンヤ行脚 番外編001 in岡山県笠岡沖北木島 ショアテンヤ根掛かり回避する6つのポイント
最後に
ショアテンヤの愛称で親しまれる「笠岡スタイル」。真鯛をはじめ多彩な魚種が狙える、再現性・優位性・ゲーム性に優れた釣りです。
この記事では、その魅力を長く楽しむために欠かせない「根掛かり回避の6つのポイント」を紹介しました。
全てを一度に実践するのは難しいかもしれませんが、簡単なことから一つずつ試してみてください。次の釣行の一助になれば嬉しく思います。
その先にはきっと「価値ある一匹」との出会いが待っています。
最後までお読みいただきありがとうございます。
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