ちまたで「ショアテンヤ」の愛称で親しまれている、リアクション・一つテンヤ「笠岡スタイル」。(「笠岡スタイルとは」ショア・オフショア共に、リアクションで魚に反応させる唯一無二の一つテンヤ釣法)
その魅力に惹かれ、V.I.SOULのYouTube動画を観て実際にチャレンジしたものの、「根掛かりが酷くて心が折れそう…」そんな声を、ごく稀に耳にすることがある。
せっかく、この奥深く楽しい釣法に出会えたのに、根掛かり地獄で嫌いになってしまうのは、本当にもったいない!
ショアからの「笠岡スタイル」において、根掛かりはまさに大敵ですが、ご安心ください。本記事を最後まで読み、その通り実践すれば、あなたの根掛かり回避率は劇的に向上することをお約束します。
日本で一番ショアテンヤを投げ込んできた「ショアテンヤの第一人者」である田中が、6つの本質的観点から“根掛かり回避方法”を徹底伝授。
ショアテンヤに興味がある、もっと上手くなりたい、と願う向上心の高いアングラーの皆さんは必見です!
なぜ「ショアテンヤ」は根掛かりが多いのか?
それは、基本、ボトム(海底)をメインに展開する釣りだからです。さらに、船からの様に“逆打ち”(掛け下がり)ができずに、地の利が不利な“掛け上がり”局面が多いから。
その場所にあった号数の一つテンヤを、フリーでボトムまで落とし、機敏に2回ほど「チョンチョン」とシャクって「魚に威嚇スイッチ」を入れ、テンションを掛けてボトムをとる。それを繰り返す、とてもシンプルな釣りです。
エントリーする場所の海底地形、障害物、潮の流れ、風の強さなど、あらゆる要因が絡み合ってきます。
例えば、潮の流れを読み違えたり、水深を誤認したり、適切なテンヤ号数を選べなかったりすると、当然、底取りが困難となり、根掛かりのオンパレード。
根が荒くガチャガチャの場所だったら、一つテンヤじゃなくても根掛かり地獄でしょう。
しかし、日本で一番、ショアから一つテンヤを投げて、様々なシチュエーションを経験してきた「ショアテンヤの第一人者」である田中は、あまり根掛かりをしない。
正確にいうと、根掛かりしないのではなく、根掛かりが少ないように“不安要素”を極限まで排除しているだけです。
今では、ほぼ根掛かりがなく、手持ちの「三笠テンヤシリーズ」が増える一方なので、近しい仲間にあげる事が多い、、、
根掛かりを回避する6つのポイント
さて、それでは早速、 根掛かりを回避する6つのポイントを、分かりやすくまとめたので、最後までお付き合いください^^
①エントリーする場所を俯瞰して見る
スマホのアプリを2つ使って、エントリーする前に上空からのイメージを固める。
1つ目に使用するアプリは「Googleマップ」。航空写真モードにして、
②海底の色の濃さをチェックしブレイクラインの位置をイメージ
③潮の流れ方をイメージ(方向、速さ、反転流など)
④沈み根や障害物の確認(深い所はできない事も多い)
などなど
2つ目に使用するアプリは「海釣図V(かいちょうずV)」。
出典先:海釣図V
②近くに深みがあるかなどチェック
※有料アプリ(無料お試し期間あり)
要は、空いた時間に自宅などで、事前にデジタル上で下見を済ませるってこと。これをやるとやらないとでは、ハッキリ言って「根掛かり回避」や釣果にも雲泥の差が出る。
今まで経験を積み重ねてきたのもあるけど、このデジタル下見だけで、根掛かりを激減でき、高確率で魚を獲ることができています。
しかも、その再現性は非常に高く、ある程度の経験値は必要ですが、この時点で勝負が決まると言っても過言ではありません。
②干潮時にエントリー場所を確かめる
デジタル下見した場所を、干潮時に「自分の目」で確認する。
エントリーする場所を大まかに分類すると、
・磯や岩場
・砂浜(サーフ)
・道べり(道路交通法に抵触しない)
基礎の敷石の角度、入り方(見えない事もある)
※敷石での根掛かりが1番多い
【磯や岩場】
沈み根(シモリ)の位置の確認
岩などの張り出し部分がどのように海底に伸びているか
【砂浜(サーフ)】
沈み根(シモリ)の位置の確認
※藻の位置やブレイクラインもチェック
【道路の近く】
そもそもエントリー可能かどうかチェック
※潮通しが良い場所はガチャガチャの所が多い
※無理な駐車はしない
↓干潮時(潮位70㎝)に現れる大岩↓
↓満潮時(潮位330㎝)には隠れる大岩↓
瀬戸内海のように、干満差があるような海域の目安としては、潮位が50㎝前後の時に現場を確認できれば良いかなと思う。
このポイントも非常に重要ですが、残念ながら意識的に実践している人は少ないのが現状。
なぜなら、現場に着いたら誰もがすぐに釣りを始めたいと思うからです。これは、無意識化による“釣り人の性”でしょう。
③タックル類の不安要素を全て排除する
この点を疎かにしているアングラーは少なくありません。
ショアからの一つテンヤは、かなりシンプルなタックルで遊べる釣りなので、手持ちの流用タックルでエントリーする人も多い。しかし、意外と実践レベルで使えるモノは少ない。
そのタックルを分解すると、ロッド、リール、ライン、テンヤ、エビやワームの五つ。(細かいところは抜きで)
この五つを最適な選択をするだけで「根掛かり回避率」はグッと上がります!つまり、ある程度初期投資をすれば、費用対効果はかなり高くなります!
【ロッド&リール】
ショア一つテンヤ専用「VR-X 92S LV2」
これ一択。ティップの張り具合、ベリーからバットにかけてのパワー。リールをセットした時のバランス、ガイド設定、感度、自重など、トータル的にストレスフリー設計されたこのロッド、実践でもはや穴がない。※強調した2点により根掛かりが軽減
ショアテンヤを極めたければ、船用一つテンヤロッドや、その他流用ロッドを使用するのは避けた方が懸命。
巻き取り量の多いタイプ(3000〜4000番)
PE0.6号(8本撚り)
特に瀬戸内海がメインになる場合、これより細くしたり太くする必要はないと思う。最近の0.6号はすごく強靭なので、かなり安心感がある。リーダーとのノット(FG一択)をきちんとすることが大前提なので、何度も練習して自分のものにしよう。潮の流れが遅い外海よりの海域は、大型魚もターゲットになるのでPE1号でも良いです。
操作性が良いモノ
テンヤのヘッド形状が全て。潮を受けやすい形は根掛かりの確率が上がるばかりか、底取りもままならないので注意が必要。ある程度、潮が走っている局面だと、それが顕著に現れます!瀬戸内で真鯛を狙う場合、潮の速い状況で釣りすることが多いので、テンヤの挙動が制御できているか?と、自問自答しながら意識して釣行しましょう。
それらの状況を総合的に俯瞰すると、マジで「三笠テンヤ」「超三笠テンヤ」がおすすめです。
潮受けを考慮したシルエット
活きエビ(冷凍も)だと大小の大きさを意識する。ワームも細いものや太いもの、ビラビラがあるなしなど、潮受けや潮抜けを考慮して最適化する。
下の画像は、上が小さい活きエビで下が大きい活きエビ。たったこれだけの差で、潮の受け方がガラッと変わり操作性に影響するので、現場で意識的に実践してください。タックルの精度により、感覚が鈍ることも加味してご挑戦ください。

④カウントを数えるクセをつける
これも非常に重要なポイントだけど、地味な作業に感じるかもしれません。
カウントを数えると言っても、二つあります。
一つ目が、
「水深を把握するためのカウント」を数える。
これは、キャストして着底するまでのカウントのこと。
いま釣ってる場所が、どのくらいの水深かカウント数として頭に認識させるのが目的。
今まで15カウントで着底していたのに、風の影響や潮の影響で底取りがわからなくなった、、、そんな時に「あれ?20カウント超えたけど底がわからない」と言う状況でラインの放出をストップできる。
目安となるカウントが無かったら、ラインを出し続ける羽目になり、根掛かりのオンパレード確定。しかも、何10mもラインが切れる可能性があります。
二つ目が、
「シャクッた数(サイクル数)をカウント」する。
ここでは、サイクル数を「シャクリ→Tフォール→糸ふけをとる→着底」を1サイクルと定義します。計算しやすいので、1サイクルを1mと仮定。
例えば、波止で釣りをしていて、立ち位置から10mが敷石の切れ目(1番沖側の)。40mキャストして30サイクルで根掛かり必至。※波止によって基礎の敷石の規模はまちまち。経験と想像力も必要となる。
と言うことは、25サイクルで回収すれば、敷石での根掛かりは回避できます。
この二つを数値として頭に認識させると、自分で釣りを制御できている実感が湧くでしょう。
感覚的な要素も大きく、最初は抽象的でイメージしにくいかもしれないが、意識しながら練習を重ねてみてください。それがイコール、根掛かり回避に繋がります。そして、釣果にも直結します。
⑤「テンヤ」を潮上にキャストして潮に乗せる
これは、基本的に潮流が速いシチュエーション。
テンヤを潮上にキャストしてドリフトさせるパターンと、潮に逆らって引っ張ってくる時のパターンでは、どっちの方がテンヤが浮き上がり(動き)やすいか?そう、前者の方が浮き上がりやすい。
つまり、海底に沈んでいる“ある程度の大きさの石や岩”を越えやすいと言うこと。
詳しいキャスト方向などは、少し下の「根掛かり回避動画」で解説(12:50あたりから)しているので、ぜひご覧ください!
⑥最終奥義
これは、もしかしたらメーカーサイドとしては「公開して大丈夫なのか?」と懸念されるほどの、最終奥義的な情報かもしれません。
それは、「いきなりテンヤを投げてはいけない!」ということです。
上の画像のブツを投げて、底を引っ張ってきてガチャガチャなら、テンヤは投げちゃダメ、、、
もしくは、V.I.SOULが誇る岩礁帯攻略アイテム「裏三笠」をキャストすれば、根掛かりポイント調査と同時に、根魚も狙えるので一石二鳥です。※2025年7月追記
今まで色んなところにエントリーしたが、着底と同時に根掛かりするガチャガチャポイントも少なくない。
ここまでテキストと画像で説明してきましたが、より具体的な実践方法は、この後ご紹介する「根掛かり回避動画」で詳しく解説しています。テキストや画像よりも、動画の方が頭に入りやすいという方は、ぜひご覧ください!
今回の動画
今回の動画では、本記事で解説した根掛かり回避の6つのポイントを、より視覚的に、そして実践的に学ぶことができます。
約20分ほどの動画ですが、概要欄に目次がありますので、氣になるポイントへすぐに飛んでご覧いただけます。 動画を観て少しでも役に立ったと感じていただけたら、「👍ボタン」と「チャンネル登録」をぜひよろしくお願いいたします。
一つテンヤ行脚 番外編001 in岡山県笠岡沖北木島 ショアテンヤ根掛かり回避する6つのポイント
最後に
ショアテンヤの愛称で親しまれつつある「笠岡スタイル」。
ショアから真鯛を狙う釣法としては、再現性・優位性・ゲーム性が非常に高く、大きな達成感とワクワクを味わえる釣りです。
この素晴らしい釣りを、一人でも多くのアングラーに末長く楽しんでもらいたいという思いで、根掛かりを回避する6つのポイントを紹介しました。
全てを一度に実践するのは難しいかもしれませんが、簡単なことから一つずつ試してみてください!
根掛かりを減らし、あなたのメモリアルフィッシュとの出会いをサポートできれば、これほど嬉しいことはありません。
いつも最後までお読みいただき、ありがとうございます!
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