「こんな浅場でも大鯛が釣れる」その可能性を確かめるために調査と撮影を行った2021年夏。
ショアからの一投で見事に本命が姿を見せました。
激浅かつ川のように流れる海で、どう攻略すれば結果につながるのか——。
今回はその実釣の様子と、再現性を高めるためのポイントをお伝えします。ぜひ最後までお付き合いください。
2021年7月、激浅エリアで仕留めた大鯛
場所は広島県尾道市。しまなみ海道の入り口に位置する「向島」と「岩子島」の間を流れる御幸瀬戸(みゆきせと)。
この水道は南北に細長く、幅が狭いため全体的に水深が浅いエリアが多い。「こんな場所に真鯛がいるのか?」と多くのアングラーが首をかしげるようなポイントで、実際に釣友に話すと「え、あそこで真鯛!?」と驚かれる。
2021年7月のプラクティスでは、この浅場で大鯛をキャッチ。チヌやヒラメも同時に釣れたが、スマホを水没させてしまい、大鯛の写真だけが一枚残った。
その時の大鯛はInstagramに掲載していますので、興味がある方はこちらからご覧ください。
南から北に流れる潮で大鯛「ドーン!」
ファーストエントリーは7月下旬、上げ四分のタイミングだった。
入ってすぐに魚が立て続けにヒットし、「またヤベー場所を見つけた!」と心が躍ったのを今でも覚えている。
そして、上げ六分に差し掛かった頃——。
水深2mあるかないかの激浅サーフで「ゴン!」。見事なコンディションの60オーバーの大鯛をキャッチ。
浅場ゆえに引きがダイレクトすぎて、魚体が見えるまでは「70超えたか?!」と心臓がバクバクしていた。
この時は「VR-X 92S LV2」と「三笠テンヤ」2号の組み合わせ。軽量テンヤなのでティップで弾きすぎず、巻きシャクリの「ツンツンス〜」で展開。
浅場の速い潮に乗って走る真鯛の突進を受け止め、掛けてからも安心してやり取りできた。
8月に撮影では北から南の潮流
8月に入り、タイミングを見計らって撮影を行った。しかしこの日は潮が逆向きで、北から南へと流れていた。
結果は「チヌ、チヌ、チヌ、アコウ」。本命の真鯛は姿を見せず、当時は動画をお蔵入りにしてしまった。今思えば、条件を記録するだけでも価値があったと感じている。
撮影中に地元の漁師から話を聞いたところ、この水道は基本的に北から南へ流れるとのこと。しかも上げ潮・下げ潮のどちらでも同じ方向に流れるという。
潮の特性を理解することが、このエリアを攻略するための重要なヒントになると実感した。
2022年7月4日の上げ狙いプラクティス
一年はあっという間で、2022年7月4日に再び現場へ。エントリーは上げ三分のタイミング。
しかし、この日も潮は北から南で、狙い続けている「南流れ」には出会えなかった。
状況は違えど連続で真鯛ヒット
大型こそ姿を見せなかったが、テンポ良く真鯛が次々とヒット。
最大でも40cmに届かないサイズだったが、浅場でのやり取りはやはりスリリングで、何度味わっても胸が高鳴る。
この一瞬一瞬が強烈に記憶に刻まれるのは、唯一無二の釣法「笠岡スタイル」だからこそだ。
付きまとった“ジンクス”
不思議なもので、撮影本番で出てほしい魚ほど、プラクティスで姿を見せる。そんなジンクスがこの釣行にも現れた。
最近はその流れに拍車がかかり、ぶっつけ本番一発勝負の撮影が増えている。
この日の真鯛は3匹。上の2枚は同じ魚で、3匹目は手のひらサイズだったため割愛した。
ちなみに、初回の大鯛もそうだったが、このプラクティスも、偶然近くにいた釣り人に声をかけられた。撮影前にネタバレしないよう「どうか見られませんように」と祈ったのは、ここだけの話。
「一つテンヤ行脚」撮影本番 2022年7月5日
翌日の2022年7月5日、ついに「一つテンヤ行脚」Vol.34の撮影本番を迎えた。
ここに至るまで紆余曲折があったが、諦めずに続けてきたからこそ辿り着けた時間だった。
朝イチは別場所で可能性を探る
本命の御幸瀬戸は朝イチの潮位が低すぎたため、まずは気になっていた別のポイントから撮影を開始した。
結果として魚を獲ることはできなかったが、潮のタイミング次第では面白い展開になりそうな雰囲気があった。
この経験も次につながる手応えとし、早々に見切って本命の御幸瀬戸へ向かった。
川のような海、シャローエリアでヒラメと真鯛
少しタイミングが早すぎて、潮の流れがまだ動き出していなかった。気持ちばかりが先走っていたのは事実だった。
不穏な空気がながれる中、15分ほど潮待ちしていると北から南の上潮が流れ出した。
アタリはあるも掛からない展開
魚にスイッチが入り切らなかったのか、アタリはあるもののフッキングが決まらない。
エサ取りに加え、真鯛らしき反応もあったが、どうにもかからずに時間だけが過ぎていった。
「撮影本番のジンクスが再び…」と、不安がよぎる展開。
用意していた活きエビも釣果が出ないまま消費されていき、2人で調整しながら耐える時間が続いた。
鼻血を出しながら捻り出したヒラメ(ソゲ)
そんな中、時間は11時40分。ケイに待望のファーストヒットが訪れた。
実はその直前から鼻血が止まらず休憩していたが、復帰後の一投でヒラメ(ソゲ)がヒット。まさに皮切りとなる一本だった。
この後にチャリコも追加したがサイズが小さく、撮影は割愛した。
激シャローで本命真鯛をキャッチ
そして12時過ぎ、前年に大鯛を獲った付近で、絞り出すように本命の真鯛をキャッチ。
サイズこそ伸びなかったが、2021年と同じシチュエーションでヒットさせたため、達成感は大きかった。
その後、残り少ないエビでケイに連続ヒットのチャンスがあったが、いずれもフッキングには至らず。
最後の一匹でもアタリは出たが、魚を獲ることはできず、潮の緩みとともに終了となった。どのアタリも真鯛の可能性が高かっただけに、惜しい展開だった。
釣果的には派手さこそなかったが、海の女神の気まぐれに翻弄されつつも、学びの多い一日となった。
今回の釣行は、熱心な「ヒトツテンヤー」(一つテンヤをこよなく愛する釣り人)にとって参考になるはずです。ぜひ動画もご覧ください。
今回の動画
今回の攻略ポイント
② 干潮時に大きなシモリを確認しておく
御幸瀬戸(攻略場所)には一か所大きなシモリがあり、これを把握できれば根掛かりはほぼ回避できる。
③ 浅場でも大鯛が潜むためタックルは万全に
水深が浅いため、40〜50cmクラスでも引き味は抜群。50cmを超える真鯛になると想像以上のファイトになるので、心の準備は必須。
撮影時のタックルデーター
「VRKS-LV1」
★【リール】
3000XG
★【メインライン/リーダー】
PE0.6号200m/フロロ2.5号1.5m
★【テンヤ】
「三笠テンヤ」2号,3号
クレイジーオレンジ、ブラックダイヤモンドG
フラッグシップモデル「VRKS-LV1」とは?
「VRKS-LV1」は、V.I.SOULが現場で培った経験を注ぎ込んだフラッグシップモデルです。
軽量テンヤを自在に操れる操作性と、大物とのファイトを支えるパワーを両立させ、リリースから数年経った今も熱心なアングラーさんに愛用されています。
② オフショアのキャスティングゲームでも活躍
③ 高弾性カーボンとトルザイトガイドによる高感度設計
④ チューブラーティップで繊細かつ機敏な操作が可能
⑤ 大鯛の突進をいなせる強靭なベリーとバット(4軸補強)
⑥ エギングや小物釣りなど、汎用性の高さも魅力
「長く愛用できるロッドを探している」という方には、ぜひ手に取っていただきたいモデルです。
最後に
去年から準備を重ねて挑んだ「一つテンヤ行脚」Vol.34の撮影。
撮影本番では圧倒的なサイズこそ出なかったが、3人で力を合わせて取り組んだ成果として、十分に満足のいく釣行となった。
ショアから大鯛を狙うのは簡単ではない。それでも御幸瀬戸のようにタイミングが合えば、一瞬で景色が変わる「ドーン!」が訪れる。そんな可能性を秘めたエリアだ。
公開した動画を通じて、多くの方がこの釣法に興味を持ってくださっている。だからこそ、自然に敬意を払い、大人の釣り師として節度をもって楽しんでいただければ嬉しい。
皆さんも、自分だけの真鯛との出会いをぜひ楽しんでください。
いつも最後までお読みいただき、ありがとうございます。
関連記事:ショアテンヤの根掛かり回避術6選
今回の御幸瀬戸は比較的根掛かりの少ないフィールドでしたが、ショアテンヤ全般において最大の課題は「根掛かり」です。
この壁をどう回避し、攻めに変えていくかが釣果を大きく左右します。
そのための実践的な方法をこちらの記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。▶︎ [ショアテンヤの根掛かり回避術6選]
コメント