今回の記事は、ショアテンヤ(陸っぱり一つテンヤ)の最盛期、真夏の短時間勝負をテーマにした実釣&撮影レポートです。
アフターから回復した真鯛が潮通しの良いシャローを回遊し、最も反応が出やすいこの時期。
焦げるような日中を避け、潮とタイミングを見極めて「一撃」で仕留める——それがV.I.SOUL流リアクション一つテンヤ「笠岡スタイル」。(「笠岡のスタイルとは」ショア・オフショア問わずリアクションで魚に反応させる唯一無二の一つテンヤ釣法)
今回は、新規開拓から時合いの最適化、そして撮影に至るまでの流れを時系列でまとめました。
情報の本質はこれまでと同じでも、実践精度はさらに磨かれています。「釣れない」を「釣れた」に変えたい熱心なヒトツテンヤーさんは、ぜひ最後までお付き合いください。(ヒトツテンヤーとは一つテンヤをこよなく愛する釣り人を表現した造語)
「尾道水道」新規ポイント開拓着手!
ここは以前から目をつけていた新規ポイントの一つ。
6月に入ってから怒涛のフィールドテストが続く中、気温もまだ穏やかな6月中旬過ぎ、ようやく初エントリーを果たした。
真鯛狙いのショアテンヤは久しぶりだったが、事前に地元でキビレを相手に感覚を研ぎ澄ませていたので、私のテンションも感度もバチバチ状態。
バチバチ状態になった練習
👉バチバチの練習の様子はコチラ
必ず初見の場所は状況把握から
まずは様子見で、中潮(296㎝→58㎝)下げの4分から開始。
一番の目的は魚を釣る事ではなく、潮の流れと地形との兼ね合いを把握すること。
ロッドは「VR-X 92S LV2」&三笠3号ブラックを先発させ探っていると、いきなり「ゴン!」と良いサイズの真鯛が反応するもフックオフ、、、
その直後、潮が速くなり4号のピンクに交換。※カウント13くらいで着底。
潮が速く展開が忙しいが、アップ、クロス、ダウンと縦横無尽にキャストする。
張り出しの岩礁、沖にある大きなシモリ、手前にある海藻群をざっくり頭にインプットし、最適と思えるトレースコース(魚が掛かっても獲れないラインは無視)でドリフト。
すると、アフター回復の真鯛が「コン」と素直にテンヤを吸い込み、ロッドを叩くヘッドシェイク!
立ち位置と根ズレポイントの距離感がシビアで、さらに手前の掛け上がりに生える海藻群がプレッシャーをかけてくる。
それでも、タックルを活かしながらラインテンションを保ち回避。
無事にランディング成功!真鯛の美しい魚体に思わずうっとり^^
その後も、サイズこそ落ちたものの、同じ展開でしっかり再現成功!
潮と地形のリズムを掴めば、結果は自ずとついてくる——いつもの間隔だった。
この時点で、潮の流れ方と地形の把握がある程度完了。
イメージ通りのゲーム展開に納得し、2時間ほどで初日のフィールドテストを終えた。
「尾道水道」2回目のフィールドテスト
2回目のフィールドテストは翌日。あえて前日とほぼ同じ潮回り・タイミングでエントリーした。
現場に着くと、すでにおじいちゃんが投げ釣り中……「まさか真鯛!?」と思いつつも、早めの昼食でタイミングを調整。
再び戻るとまだ継続中だったため、邪魔にならないエリアの奥へ入り直した。
この日は昨日よりも潮が速く、「超三笠」4号をメインにゲームを構築。
しかし、潮流が速すぎるのか真鯛の反応は皆無。手を変え品を変えながら一通りトレースを終えるも、状況は依然として沈黙状態…。
そんな中、早めの食事でタイミングをズラした判断が功を奏し、前日は攻めきれなかった潮のラインが浮上!
超三笠でも制御ギリギリの展開だったが、アップキャストからクロス、そしてダウンに差し掛かった瞬間——
「ゴンッ!」と明確なバイト!会心の一撃がロッドを叩いた!!
「今日はもう帰ろうか〜」と思った矢先の一枚だったので、めっちゃ嬉しかった^^
正直、この一枚は無理やり捻りだしたし、おじいちゃんは帰る気配がなく、深追いせずに調査終了。
尾道水道」3回目のフィールドテスト
ここから怒涛のキビレ案件が続き、7月初旬に撮影が成立。👉キビレ案件
ほっとひと息つく間もなく、7月中旬目前に3回目のフィールドテストを決行!
潮回りは中潮(125㎝〜306㎝)。
前回・前々回は下げ潮での検証だったため、今回は上げ潮での動きを確認することに。
潮流の向きは真逆になるが、すでに地形の把握は完了しているため、戦術イメージは明確。
潮は速く、やや風もある。沖目のラインも気になっていたため、選んだのは「超三笠」5号グリーン。
逆潮でも本命真鯛とアコウ
——たまたまケースに入っていた中古の一個だが、これがドンピシャ!
その1投目、「ゴンッ!」と明確なバイト!
真鯛特有の首振りがなく、突っ込みも鋭くない。すぐにターゲットを察知し、慎重にリフト。
幸先よく、ブリブリの良型アコウ(キジハタ)をキャッチ。
立ち位置はほぼ変えず、少しキャストラインをズラし真鯛キャッチ!上げ潮での感触は良く「撮影は上げ!?」と心によぎる。
その直後、クロスでキャストしダウンの展開で、違和感程度のアタリがありフッキング!
ヘッドシェイクの感じと重量感があったので警戒するも、鋭い突っ込みがないまま波打ち際に!!
安心していた私の不意をつくように、余力を残していた真鯛はなんと、波打ち際でエラ洗い一発!!!痛恨のフックオフ。 「60マダイガエラアライ」と3分くらいブツブツ言ってた事は、ここだけの話w
そして同じように、再現成功。サイズはご愛嬌…
この日は、1時間ほどで納得の終了。「上げの方がええな〜」という事で、撮影日の調整へと移行。
しまなみの玄関口「尾道水道界隈」で撮影開始!
しまなみの玄関口「尾道水道」。
これまでになく入念にフィールドテストを重ね、迎えた撮影本番。
“事前に段取りしすぎると撮影でコケる”——そんなジンクスもあるにはあるが、
今回はそれを吹き飛ばすほど、私の練習量が多かったのも事実。
一撃で60アップ真鯛ヒット!
当日、朝6時の始発フェリーで水道を渡り、これまでの撮影プランでは入らなかった、新たなポイントへエントリー!
「なぜ?」と聞かれたら「何となく」…
上げ潮が良い感じで右から左へ、そのテンポに合わせながらボトム「チョンチョン、ス〜」と全集中で展開。
そして、ダウンに差し掛かった矢先、「ゴツッ!」と強烈なバイト!
一進一退の攻防を繰り広げながら寄せ、小さなタモで何とかランディング…
鬼ヶ島(女木島)での大鯛に匹敵するほど、瀬戸内海の真鯛らしいエグい引きだった!!
絶妙な潮が流れていたので、まだキャストすれば釣れたと思うが、120点満点のできなので早々に見切る。
60超えの真鯛を片手に、同じフェリーに乗って対岸へ移動(3回プラした場所)。その際、行きで話をしたフェリーのスタッフさんが「えーーーっ!」と、マジでビックリされていた。
2投で2枚の完璧すぎる展開!!
そして対岸でも同じ戦術により、アップからクロスに差し掛かった矢先…
シャクリ初めに掛かる感じではあったが、狙ったラインにて数秒で真鯛捕獲!
「もう十分じゃろ〜」とカメラマンと意見が一致し、過去最短、2投で2枚の真鯛を釣ることができた記憶に残る撮影となった。エビも2匹…
この恵まれた環境に感謝かんしゃ!
今回の動画&重要情報
ショアテンヤ最大の敵 「根掛かり」 を激減させる方法を解説しています。
動画と記事の両方を公開していますので、ぜひ参考にしてください。
👉根掛かりを回避する動画はこちら
👉テキストで読みたい方はこちらの記事へ
今回のポイント
①地元でキビレを相手に練習を重ね、感覚を極限まで研ぎ澄ませた。
②プラでは「上げ」「下げ」の両方を検証し、上げ潮が地の利を活かせると判断。
③練習・検証・継続、この3つを愚直に繰り返したことが撮影成功の鍵となった。
今回も抽象的な話になるが、実はすごく大事なマインドセット。
「急がば回れ」という言葉の通り、釣りも積み重ねの世界。
最近は情報が簡単に手に入る分、結果だけを求める人が増えた印象がある。
でも結局、時間と労力を惜しまず向き合った人だけが、少しずつ答えに近づいていく。
私も、常にその意識を持って現場に立っています。
この時のタックルデーター
【ロッド】
「VR-X 92S LV2」
【リール】
スピニング4000番(XG)
【メインライン/リーダー】
PE0.6号200m/フロロ2.5号 1ヒロ強(FGノット)
【一つテンヤ】
「三笠テンヤ」4号
ゴージャスピンク
【餌】
活きエビ
最後に
尾道水道界隈でアフター回復の真鯛を攻略した一連の流れ、いかがだったでしょうか。
ゴール(撮影成立)を明確にイメージし、タックルを整え、現場での検証を重ねて最適解を導き出す。
風や潮といった自然の要素を味方につけ、優位に展開できるタイミングを逃さない。
その結果、暑さが和らぐ短時間でテーマ通りの展開を体現できました。
これが、陸っぱりで展開するリアクション一つテンヤ「笠岡スタイル」(通称ショアテンヤ)の真の実力です。
少しでも興味を持たれた方は、ぜひご自身のフィールドで試してみてください。
思いもよらない展開が、あなたを待っているかもしれません。
いつも最後までお読みいただき、ありがとうございます。
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また、今回登場した「三笠」の仕様については[公式ページ]にまとめています。
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