今回の記事では、3日間の遠征釣行を時系列に沿って振り返りながら、
その中でもレンタルボートで挑んだロックフィッシュ(オオモンハタ・アカハタ)実釣の1日を切り取り、
ベイトリールという選択が釣果をどう変えるのか──その本質に迫ります。
現場で感じた操作性の違い、フォールの制御、ラインテンションの妙。
それらが一連の“反応の連鎖”にどう作用したのかを考察しました。
読み終える頃には、シャア・オフショアのロックフィッシュにおけるリール選択の意味が一段深く見えるはずです。
出発日は夕方から初見の場所で「ショアテンヤ」調査
7月7日(七夕)の朝、本格的に暑くなる前、前日にまとめた全ての荷物を車に詰め込み、一路、いつもの四国方面へ。
初日は夕方からの釣行だったため、正午ごろに自宅を出発。いつもの道をのんびりと走る。
諸事情もあり、15時にはホテルにチェックインを済ませた。少し時間があったので、軽く休憩を取ってから現場へ向かう。
そこからおよそ1時間ほど車を走らせ、17時前に現着。すでに仲間は到着していて、いつものように談笑を交わしながら、それぞれ準備に取りかかっていた。
初日のテーマは、夕方から夜にかけてナイトショアテンヤ検証。
まだこの領域の情報は発信していないが、暑い夏に最適な釣りになる可能性がある。
しかし、実際に試してみると――
真夏の高水温期にこそ機能する新たなスタイルになる可能性を感じていた。
まさかの真鯛にアコウ
そんな中、道具立ては「VR-X 92S LV2」に「超三笠テンヤ」4号を選択。親鈎に付けるエサは、厳選「活冷凍エビ」のB品。
この組み合わせがあると、全国どの海域でも釣果を導き出せる最強布陣といえる。
結論から言うと、いつもやってるパターンとは違う誘いで、日没直後に本命の真鯛(チャリコ)をキャッチ。
アタリは数度あったものの、ほぼ潮止まりだったので再現性は乏しい結果となったが、もし潮が流れていたら、ガラリと展開が変わっただろう。
そして、同じパターンでまぁまぁサイズのアコウ(キジハタ)を仕留め、ナイトショアテンヤの可能性の高さを実感。※オープンエリアでの釣果
仲間はと言うと、「裏三笠」で小型のアコウを釣り、アフター移行の厳しい局面でも魚をなんとか捻り出した。※ボトムチョンチョンで岩礁帯攻略
私にとっては初見の場所だったので、潮とタイミング次第では大物獲りの可能性があると感じた。
8時頃にもう1人仲間が合流するも、次の日がロングランだったので私は早上がり。ホテルに帰ってバタバタと就寝した…
2日目は高知県某所へ“夏のロックフィッシュ”調査
さて、日中は激暑になる予報だったので、5時くらいにホテルを出発し、延々続く山道を東へひがしへ。
途中、おとぎ話に出てきそうな風景に出くわし、車を止めて2人でタバコをふかす。
約2時間かけて現場に到着。しかし、待っていたのはショートバイトの嵐と、灼熱地獄…
本命の根魚らしい気配は感じられず、11時前に撤収を決断した。
あの手この手で捻り出すこともできたが、相棒の体力が限界に近かったこともあり、無理をせず引き上げる判断を選んだ。
とはいえ、この時期の海の表情を実際に見られたことは、釣果以上の収穫だった。
水色は悪く、まるでターンオーバーのよう。大型個体は避暑地に逃げている――そんな仮説も頭をよぎる。
「夏の好活性根魚」を狙ったレンタルボート攻略
さて、ここからが本記事のテーマ。ここまで読んでくださった方は、ぜひ最後までお付き合いください。
遠征3日目の、真夏のボートロック攻略。
この日は相棒の車で出船場所へ向かい、無風・ベタ凪のコンディションの中、無事に出船。
時期的には「活性は高いはず」と期待しながらも、果たして実際はどうなのか――興味と少しの緊張が入り混じっていた。
「遠くに行くより近場でサクッと釣りましょう!」と言う事で、戦略は近場のランガンスタイルに決定。しかし、船(エンジン?)の調子が悪く、船脚が異常に遅い…
そんな中なんとか現着し、朝の戦術の要となる「VR-X 85B LV2」に「三笠テンヤ」6号グリーンをセット。
三笠を選択した理由は、朝のポイントは根掛かりリスクが低い地形だったのと、高活性の根魚にしっかりフッキングしたかったから。
ワームは中古釣具屋に豊富にあるので、使えそうなモノを適当に大量購入。これ、使えるワームがめちゃ安く手に入るのでおすすめw
数投で良型オオモンハタ
朝イチ、まだ日差しがやわらかい時間帯。
このタイミングなら、根魚たちは確実にフィーディングに入っていると読んだ。
潮の流れと地形の起伏をざっと確認し、最後は“勘”というより嗅覚に近い感覚でキャストラインを決定。
カウント10未満のシャローを**逆打ち(陸向き)**で攻める。着底後すぐに5〜10回巻き上げ、フォールで再び着底。
その一連の動作を繰り返していた矢先――
※フォールへ移行した直後、「ガツッ!」と強烈なバイトから、ロッドに伝わるオオモンハタ特有の躍動感。※クラッチを切ってすぐ
上がってきたのは、コンディション抜群の40アップ・オオモンハタ!
その後、小型を絡めながら小移動を繰り返し、先ほどより少し深いライン、カウント15くらいのポイントで逆打ち。
ここも巻きで食わせるイメージで、5回巻いてフォールを繰り返し、※巻きからフォールに移行した直後「ゴンッ!」と超強烈バイト!※クラッチを切った瞬間
極太オオモンハタ登場
先ほどの40アップとは引きが段違いで、かつ重量感もありサイズに期待しながら上げる。
しかし、底付近で食わせたので何かにスタックし万事休す…
が、なんとかスタック(海藻だった)から脱し、ドラグは出されないよう半ば強引に寄せてくると、思っていた以上のサイズ!
開始から20分ほどで、余裕の50アップオオモンハタGET!!
このサイズのオオモンハタに反応させて獲れたのも、ベイトタックルを使用していたから。
「巻きからフォールに移行した直後」、つまり、ベイトリールのクラッチを切ってフォールした瞬間に、魚が反応(バイト)した。すぐにフッキングもできる。
これ、スピニングだとどうしてもタイムラグがあり、ぎこちなくなるので見切られる。特にキッカーフィッシュはその傾向が強い。
さてさて、太陽が次第に高さを増し、夏の暑さが牙を剥き出す中、魚の活性は依然高かった。
瀬戸内海ではなかなか見なくなった尺サイズのカサゴがボコボコ釣れ、この海域のポテンシャルは健在。
良型アカハタ&大型アカハタ連発で早上がり
途中から岩礁帯メインの地質に変わったので、「裏三笠」メインに戦術変更。
ボトムチョンチョンメインで狙ってたアカハタも、小型、良型、大型とアカハタ祭りと呼べるくらい釣れた。
掛け上がりはもちろん、掛け下がり局面も裏三笠を斜面にそわしながらリアクションが効かせるので、チャンス・釣果共に増える。
仲間が仕留めた40アップのアカハタの美しさに言葉を失う…
朝のオオモンハタの巻き、その後のアカハタのボトム展開。両軸において「ベイトタックル」が大活躍した釣行だった。
いや、ベイトタックルじゃないと、オオモンハタ、アカハタのキッカーフィッシュは獲れてなかったと思う。
魚が釣れるお告げ、海亀が随所で気持ち良くプカプカするのを見て「まだ釣れるなー、けど暑いなー」と言う事で、11時頃に終了とした。
トレブルフック系ルアーの落とし穴
YouTuberや釣り著名人が、動画やSNSでトレブルフック系のルアー、バイブなどで「やったー釣ったぜー」ってやってる「良いところだけ切り抜いた」ネタが山ほどあると思います。特に、ボトムにコンタクトさせるロックフィッシュゲームでは、オフセットフック一択です。「ルアーが何個あっても足りませよ」。
今回のポイント
「ベイトはキャストできない」「難しそう」「バックラするから嫌だ」──そうした理由は、いったん全部脇に置いてみてほしい。
ベイトリール最大の武器は、クラッチのオン・オフ。たった親指ひとつで、キャストからフォールまでを自在に制御できること。
特に、巻きからのフォールや逆打ち(陸向き)での掛け下がり局面では、この“指先の操作”が釣果に直結するほどの差を生む。
もちろん、最初は多少の慣れが必要だ。けれど、フォール中のアタリや、巻きでミスバイト直後の“喰わせのフォール”にも瞬時に対応できる柔軟さは、ベイトでしか得られない感覚だ。
玄人は、フリーフォール中のバイトや、微かな違和感にも即応できる。
つまり、「ベイトリール」には火の打ちどころがない。
もしあなたがベイトリールに苦手意識を持っているなら、ぜひこの壁を越えてみてほしい。一度その“手の中の世界”を掴めば、見える世界が一変し、根掛かりも減り、釣果は確実に伸びる。
もちろん、スピニングタックルが生きる場面もある…
だからこそ、**「適材適所」**の考え方で使い分けていこう。
ベイトの操作性を理解したその先に、あなたの釣りがもう一段階、深く進化するはずだ。
この時のタックルデーター
★【ロッド】
「VR-X 85B LV2」
★【リール/メインライン/リーダー】
小型両軸リール
PE1.5号200m/フロロ6号1.5m
★【リグ/仕掛け】
①「三笠」6号
Bグリーンゴールド
②「裏三笠」(II型遊動)8~10号
グリキン、マダコ
★【オフセットフック】
②3/0太軸
★【冷凍エビ/ワーム】
②約4インチのカーリーテール&ホッグ系
実際にユーザーさんが触る事が難しいロッド85B。ロックではいつも助けられている愛竿です。
最後に
ショアでもオフショアでも、ロックフィッシュゲームにおいてベイトタックルは大きな武器になります。
その操作性を理解して、少しずつ落とし込み精度を上げていくと、きっとこれまでとは違う世界が見えてくるはずです。
情報があふれる今だからこそ、“本質”を自分の感覚で確かめながら釣りを楽しんでほしい。
あなたの中の「釣り魂」を、これからも一緒に燃やしていきましょう。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
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今回登場した「裏三笠」の仕様などは、[公式ページ]にまとめています。
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