今回の記事は、備讃瀬戸の夏の風物詩「ショウサイフグ釣り」がテーマ。
V.I.SOULがリアクション一つテンヤから派生させた「カケテン」について紹介します。
道具立ては一つテンヤそのまま。孫鈎を掛け鈎に替えただけのシンプルなスタイルです。
テンヤのカラーや重さによってアタリの出方が変わり、駆け引きの面白さと奥深さが味わえます。
時系列に沿った長い記事ですが、興味のある人は最後までお付き合いください。
一つテンヤタックルのまま、掛け鈎に替えただけ
単純明快、「カケテン」は至ってシンプルな戦略。そのベースにあるのは「笠岡スタイル」である。
テンヤもロッドも、V.I.SOULアイテムで完結。おそらく、既存のテンヤタックルでも可能かと思う。
これまでのデータの集約、下の画像がおおむね最終形態。ここに行き着くまでのみなさんの労力は計り知れない…
良いデータ、悪いデータが蓄積された約3年。優位性のある要素だけを抽出して迎えた2024年夏。
備讃瀬戸「カケテン・ショウサイフグ」最終仕上げ
そんな中、「そろそろフグじゃね?」と、「カケテン」フグ大好きメンバーがソワソワ、虎視眈々とその時を狙っていた。
去年に引き続き、夏フグ調査に協力してくれたのは「KAIHA」のぶ君船長。
彼もまた「カケテン」の魅力に惹かれる?船長のひとりだ。
このタイミングでの最適なポイント選びは、互いに試行錯誤を重ねながら歩んできた経緯があり、特別な思い入れがある。
とりあえず様子見で、6月下旬に今年初となる夏フグ調査へ向かった。
6月下旬、曇天小雨混じりの夏フグ初陣
各セッティングはほぼ去年と同じで、変更点はテンヤの号数を15号を基準とし、掛け鈎をスナップ式に変更し自在度をアップさせた。
使用するエサは、厳選「活冷凍エビ」。バナメイ、ブラックタイガー、活きエビ、赤エビなど、名だたる強敵を切り倒し生き残ってきた。
最後の強敵は、超推奨エサの“ロールイカ”。 3年物が冷凍庫に眠っているので、どこかのタイミングで投入予定。※推奨は“新鮮なロールイカ”らしい。
そんな中、曇天小雨で現着すると、いくらか船がおりポロポロフグを上げている。
ざっとの水深が30〜45mほどの砂礫底で、起伏も穏やかで根掛かりリスクはほぼない。
釣り方は至ってシンプルで、着底後すぐに空シャクリ(50㎝ほど)をスーッと入れ、ゆっくりフォールさせる。 掛け鈎が底に付かないギリギリで止めるイメージ。数秒後に空シャクリ。基本、これの繰り返し。
本命ショウサイフグが釣れ安堵する
「カケテン」の一番の魅力は、フォール中にはっきり「コツコツ系」のアタリが出る。アタリが出たら空シャクリと同じように力まずスッと掛ける事。
近くによっても警戒して食わないフグは、タイミングをズラしながら止めからの空シャクリで掛ける。(気配を感じる)
その一連の動作で今年初物、夏のショウサイフグをGET!
下げ潮がどんどん緩んでいく中、ポツリポツリ、他の船もポツリポツリ、、、
予想とは裏腹に反応薄く…
今までにない厳しい状況で、どうやら曇天小雨の天候が影響している模様?!
潮がなくなり、徐々に厳しい展開の中、フグ本職が無双状態に入る!周りに群がる船はほぼ無の状態なのに、本職が恐ろしい回転でフグを量産。(餌付け状態)
我々もただ口をあんぐりしながら、ポロポロと拾い釣り…
上げに転じ場所移動。そこでもそれなりに釣れたので、2024年夏のショウサイフグ物語の第一話は完結…
それにしもて、ショウサイフグのサイズが良く、十分なお土産になった。
お命頂戴し、美味しくいただきました🙏
7月中旬、晴天の小潮周り「重要な転換期」
と言う事で、半月後の7月中旬に、またまたのぶ君と2人で調査。
前回同様、下げ潮から開始してすぐにポンポン釣れたので「あっ今日は簡単!!」と思った矢先、超失速…
のぶ君が活きエビを用意していたが、最初だけ良かったもののアタリが減る。
保険に持ってきていた“3年物冷凍ロールイカ”に変えてから、ポロポロと釣れ出した。
カケテンで大鯛掛かる!
そんな中、下げと上げの狭間に、60の大鯛が釣れたので満足まんぞく!
エサの種類にもよるが、「カケテン」は様々な魚種が釣れるのがめっちゃ楽しい! この真鯛も良い個体で美味しかったので、食材確保、貴重なタンパク源として重宝する!!
もちろん、メインターゲットのショウサイフグが一番釣れるので、言うことなし!
午後から貸切状態の上げ潮ポイントにて、じっくり集中しながら一匹いっぴき大事に掛け、次に繋がるデータ収集に励んだ。ここがターニングポイントとなる。
その結果、今まで最終形態と思っていたセッティングが、あと少し調整の余地があると判明。
型の良いショウサイフグ量産
それにしても、貸切状態でパクパク状態って、一番の至福ですね♪無事、第二話完。
今回も美味しいショウサイフグをいただき、幸せでした♪
「カケテン」メンバー集結、各々の戦略で勝負!!
と言う事で、またまたまた半月後の7月終わりに、「カケテン」大好きメンバーが5名集結。
しかし、準備万端で挑むと、まぁろくなことがない…
本命場所にフグの群れはおらず、たまーに誰かにアタリがあり釣れるしょぼい感じ……
そんな中、田中セッティングが功を奏し、シブいながら優位性を発揮する。一番の変更点は、掛け鈎を4本イカリでハリスの長さを4㎝長く。
この修正により、少ないアタリの中でもミスがなく、数を稼ぐことができた。
厳しい展開でもポロポロと本命
みんな釣りたいので船長必死に最適な場所を探しつつ、ポロポロ拾い釣りが続く。
釣れる人、釣れない人がハッキリ分かれる展開と、強烈な暑さがみんなの体力、集中力を奪う。
そんな厳しい状況の中、吉田さんの閃きが難局を変えた!
下の画像がそれで、一つテンヤ同様に冷凍エビを付け、さらにロールイカをチョン掛けする贅沢仕様!!
秘技!エビ先イカチョン!!
中だるみの時間、突然ひとり連発しはじめたのが吉田さん。
当然、全員の視線が集中。「なんかしとん?」と誰かが即ツッコミ。
「エビを先につけて、イカをチョン掛け」――渋々、手の内を公開。
「ズリー!エビ先イカチョン!!」の合唱が起こり、全員が即採用。
以後この付け方は、正式に「エビ先イカチョン」と呼ばれるようになった。
フグからすれば、焼き肉と寿司を同時に出されたようなもの。
そりゃ食わん理由がない。
下げに転じ場所を移動。前回と同じ展開、貸切状態からのパクパクタイムに突入!
みなさんラッシュを堪能で終了
タックルセッティング、誘いと掛けのタイミング、エビ先イカチョンが織りなす相乗効果で、最後に帳尻を合わせる事ができた!!
それでもやっぱり、慣れやちょっとしたセッティングで、厳しい釣果で終わったメンバーもいた。が、それも釣りの一つの面白い要素!!そうやってみんなで楽しみながら、ドンドン進化したいね。
と言う事で、第三話完。
今回初めてやった“ショウサイフグの炙り”。これ、無限に食べれる!くらい美味い!!
8月中旬、「カケテン」最終セッティング確認
合間あいまで、ショアテンヤメインに現場が忙しく、焦げ焦げ状態の私…
そんな中、「カケテン」の精度もグングン向上し、4話目で最終セッテイングに漕ぎ着けた!
この日も潮周りが小さい、晴天のフグ釣り日和。私とのぶ君の2人だったので、お互い釣りのみに集中できる絶好のチャンス。
そんな中、下げ潮の緩みから開始した本命ポイントで、良型ショウサイフグの連発劇!
もちろん、セッティングが決まっている前提で、アタリを誘う所作、掛けるタイミング(空アワセ含め)が合ってないと、こうはならない、、、
下げ潮が効いてる1時間ほど、ほぼしくじり無く掛ける事ができ、最終セッティングに相応しい釣果となった。
そこから少し東に移動し、潮止まりから上げの流れ出しのタイミングで、40m前後のライン(初場所)を探る。
ここは、すでにある程度の船団(バラバラ)になっていたが「カケテン」の高いサーチ能力により、ショウサイフグがいる最適なラインをすぐ発見。周りは釣れてる雰囲気ない。
良・大型含め良い感じ釣っていたが他船にバレ、数で物を言わせる戦術でパイが無効に移る…
さらに良いラインを当てるも、同じ展開により歯が立たずwここで、6月下旬の初陣の時に感じていた“違和感”のメカニズムが解明されたので後述する。
この効率の悪い流れを断つべく、我々は意を決して場所移動。下げの貸切ポイントにて、最終調整した各部のセッティングが機能し、ショウサイフグをポンポンと釣り上げた!
備讃瀬戸夏のショウサイフグ「餌付け効果」
船の数でいうと、圧倒的にプレジャーボートが多い夏のショウサイフグ。プレジャーなので1人から3人くらいで楽しまれている方が多い。我々も、4回の調査中3回が2人での釣行。
で、2回ほどあった無双状態の違和感が、4回目の調査で完璧に紐解けた…
それはズバリ、餌付け効果。ようは、大人数乗せている船は、それだけ船下に仕掛け(エサ)が多く下りている。状況にもよるが、それにフグが集まり止める事ができ、無双状態になる。周りの船は指を咥えて見てるだけ。
その時は、異様に流し変えの距離が短い。まさに餌付け殺法w
今まで散々いろんな釣りを経験してきたけど、獰猛でエサに執着の強いショウサイフグの特性か、産卵期特有の習性なのか、他魚種ではあまり経験がない事象。
まぁ、あくまでも推察だけど、このメカニズムが本当なら、今後の戦略立てが明確になるぞ?!
と言う事で、最適であろう潮周りだけ怒涛の調査をした、備讃瀬戸夏のショウサイフグ「カケテン」物語は、四話で完結となった。
今回のポイント&一連の動作
この時のタックルデーター
【ロッド】
「VRKB-LV1」
【リール】
小型ベイトリール
【メインライン/リーダー】
PE0.6号200m/フロロ3号 1ヒロ
【一つテンヤ】
「三笠テンヤ」15号(状況に合わせて重くしてもOK)
オレンジ系、レッド系、ホワイト
【掛け鈎】
カットウ用4本錨
【餌】
厳選「活冷凍エビ」、冷凍ロールイカ
冷凍エビを先につけ、イカをチョン掛けする「エビ先イカチョン」がおすすめ!
最後に
リアクション一つテンヤから派生した「カケテン」、どうだったでしょうか。
単純明快。それでいてフグサーチ能力が高く、明確なアタリが出やすい――まさにゲーム性の塊。
ニッチな世界だが、フグを軸に多彩な魚と出会えるこの“ゆるく深い”感覚は、一度ハマると抜け出せない。
一つテンヤが好きで、フグ釣りも好きな人は、ぜひ試してみてほしいです。
いつも最後までお読みいただき、ありがとうございます。
あわせて読みたい関連記事
今回の記事は、備讃瀬戸のショウサイフグを「カケテン」攻略をご紹介しました。それとは別に、秋のカワハギ「カケテン」の実釣動画も公開しています。あなたの釣りの一助になれば幸いです👉カワハギを一つテンヤで掛ける「カケテン」実釣映像、ついに公開!
また、今回登場した「三笠」の仕様については[公式ページ]にまとめています。
ご購入を検討される方は、[公式ECサイト]からご覧いただけます。※現在一部のみ販売中です
コメント