今回の記事は、太平洋を舞台に展開する「パワーテンヤ」の実践記。
水深100m台前半の、いわゆる近海エリアで——ジグや餌釣りには反応しない良型の高級底物を狙う、独自のアプローチです。
シルエットの大きい固定テンヤで“良型・高級魚”のスイッチを入れるこの釣法は、V.I.SOULが長年追い求めてきたテーマのひとつ。
「30号のテンヤ!?」と最初は驚かれますが、実際に現場で使えば分かる——大型根魚や高級ターゲットが、まるでスイッチを入れたように動き出す。
今回はその最上位モデル「超三笠テンヤ」MAX(30号)を高知の海で実釣検証。
“パワーテンヤは本当にヤバいのか!?”——興味がある人は最後までお付き合いください。
高知・土佐湾で挑む「ディープパワーテンヤ」撮影
GW真っ只中の5月3日。
我々は休日を返上し、高知県高知市・浦戸湾へ向かった。
今回お世話になったのは、若き船長が操る遊漁船「美来丸」さん。

朝6時の出船を待たずに、全員気合十分でフライング出船。
高知の海は快晴・凪——まるで海の女神様に祝福されたかのような穏やかなスタートとなった。

手前からリズムを刻み「アタリ」を探る
まずは水深60mラインからスタート。
朝の慣らし運転のつもりで「三笠テンヤ」20号を投入し、フォールの感触や潮の噛み具合を確認。
アタリはあるものの、フッキングには至らず——早めに見切って沖のポイントへ移動。
次は水深80m付近。ここで「超三笠テンヤ MAX(30号)」へチェンジ!
より深い層で確実にテンヤを操作するための切り札だ。
ロッドはもちろん、フラッグシップモデル「VRKB-LV2」。
当初「Zと性能差はないのでは?」という声もあったが、実釣での操作性と感度の違いは歴然。
現場でその差を体感した仲間たちが、次々と“LV2”を手にしているのも頷ける。
アタリを拾えるようになり「レンコダイ」「イトヨリ」
下げ潮が残る中、テンヤにしっかり潮が乗り、操作感は上々。
鉛製では潮受けが大きく不利になる状況でも、タングステン製30号の「超三笠テンヤ」は安定感抜群。
そのレスポンスと操作性が、ゲーム全体のリズムを生み出してくれる。
潮の重さや払い出しに慣れてくると、レンコダイやイトヨリといった高反応の魚がポツポツと顔を見せはじめた。
魚信を捉えた瞬間の“伝わる感覚”は、まさにタングステンならでは。

土佐湾ディープパワーテンヤの誘い方
次第に、ディープでの基本的な展開リズムが見えてきた。言葉で説明するのは難しいけれど、イメージしてほしい。
1️⃣ フリーフォールで確実に着底を取る。
2️⃣ ロッドでテンヤをリフトし、フォール中のアタリを捉える。
3️⃣ テンヤが払い出されるタイミングでは、クラッチを切り、潮に乗せながら確実に底を取る。
このとき、着底後にライン調整してティップの位置を“4時”(理想)でキープ。
浅くなってきたらラインを巻き取りながら微調整し、常に底を見失わないようにコントロールする。
着底時のロッド角度は「3時〜5時」を意識(ベストは4時)。
アタリが出たらロッドを下げ、リールでラインを巻きながらフッキング。
この瞬間、ドラグがわずかでも出ると力が逃げるので、親ドラグかドラグの調整が鉄則だ。
この一連の操作を正確に積み重ねていくことで、キッカーフィッシュ(大型魚)を引き出すことができる——
これこそが、「ディープ・パワーテンヤ」の真髄である。
厳選「活冷凍エビ」& 冷凍小スルメイカ
もちろん、使用するエサは人に優しい、魚に優しい、環境に優しい、地球に優しいエサ。
今年1月にリニューアルしたオリジナルの厳選「活冷凍エビ」。

そして、今回テスト用に持ってきた冷凍の小スルメイカ。

この2種類あれば「エビに反応が良い時」「イカに反応が良い時」と使い分けれ、その時の状況に合わせて最適なパワーテンヤが展開可能。※追記:冷凍スルメイカがメインのエサになると判明👉その時の記事はこちら
水深100mラインで高級魚が怒涛の連発!!
朝の“準備運動”を終え、いよいよ三桁ラインへ突入。水深100m、まだ時刻は8時過ぎ——。
その瞬間、誰もが想像していなかったドラマが待っていた。
イトヨリやレンコが次々ヒットし、船上は一気に戦場状態!
複数人の同時ヒットが続く中、突如ユッピのロッドに“明らかに違う重み”が走る。
すでに田中とカメラマンは船上を走り回り、現場は大混乱。
どんな展開で掛けたのかは定かでないが——明らかに“良い魚の引き”だった。
ランカー「エビスダイ」に船上が絶叫の渦
カメラを構えた瞬間は、意外にもスーッと上がってくるように見えた。
「ウッカリか?」と思った次の瞬間、
透き通る高知の海に浮かび上がったのは、真紅の魚体——エビスダイ!
船上は一気に歓喜の渦。
「エビスじゃー!」「でけぇー!!」と絶叫が飛び交い、撮影どころではないお祭り騒ぎに!

ユッピ、初挑戦のパワーテンヤで初のエビスダイをキャッチ成功!

ライトスロージギング「SUPER SUB」炸裂!
しかもその後、トモでサブを振っていたTG部長にも強烈なバイトが——。
ロッドは弧を描き、ラインは悲鳴を上げる。
根掛かりかと思うほどの絞り込みに耐え、ストレートポンピングで迎え撃つ!
すぐに田中とカメラマンが駆け寄り、「ダメじゃーこれ獲れんかも!?」と耐え忍ぶTG部長にエールを送る!

TG部長のロッドが大きく弧を描き、“ちょっと巻いては出される”を何度も繰り返す。
ライトタックルの限界に迫るファイトの中、魚の突進を抑え込み、じわじわと浮かせにかかるTG部長の姿が、この日ばかりはいつになく頼もしく見えた。
そして、ユラ〜ッと真下から浮かび上がる茶色の大きな魚体…
圧巻のマハタラッシュで基準値が崩壊
見たことのないドヤ顔でロッドを掲げるTG部長。
船上には笑いと歓声が入り混じり、思わずこちらも嬉しくなる。

船での計測では6kg台。
しかし、帰港後に魚屋さんで正式に計るとまさかの8kgオーバー!
まさに、ライトタックルだからこそ引き出せた“最高の反応”。
改めて——ライトスロー&パワーテンヤの奥深さを実感した瞬間だった。

一方の田中はというと、可愛いサイズのマハタをキャッチ^^
言い訳すると、いい地合いの時は写真撮影の方が忙しくて釣りができない…w

その直後の流しでも、再び3kgクラスのマハタを追加。
それでも“先ほどの8kg”が頭をよぎり、なぜか誰も驚かなくなっていた——
完全に基準が狂った船上である。

しかし、これも誇れるマハタ!

超三笠テンヤMAXの快進撃が止まらない!
マハタラッシュが続く中、またしてもユッピのロッドが大きく弧を描く!
上がってきたのは、堂々たる良型マハタ!

この日のために、タックルを一式完璧に揃えて挑んだユッピ。
その準備が功を奏し、まるで海の女神が微笑んだかのようなデビュー戦となった^^


みんなが良いサイズの魚を釣り上げる中、私にもヒットするが少し遠慮気味でファイト…

上がってきたのはこの日初の赤甘鯛!美しい魚体を見た瞬間、思わず笑みがこぼれる^^

さらに私とユッピが同時ヒット!!
ユッピには再びエビスダイ、私には良型ウッカリカサゴ。
もう、どこを切り取っても絵になる展開。



気づけば、まだ時刻は午前10時前。
あまりの釣れっぷりに、カメラマンと「もう帰ってもいいんじゃ…?」と
こっそり話していたのは——ここだけの話…
上げ潮に変わり一変!? それでもアタリ頻発!
怒涛の下げ潮ラッシュが終わりを告げ、一転して潮止まり——そして上げの流れ出しへ。
一見、海全体が静まり返ったように見えたが、これまで通り「丁寧に基本パターンを繰り返す」と、
驚くほど素直に魚が反応。
まさに、パワーテンヤが持つ“再現性の高さ”を体感できる時間だった。

ロッドが大きく絞り込まれ、まさかの大物!?
帰港に向けて流しながらのラストチャレンジ。
「それ、甘鯛っぽい!」という声とともに、ロッドが大きく弧を描く。

みんなてっきり“大型白甘鯛”と思っていたため、少し複雑な表情^^;
それでも、この終盤まで絶えずアタリが続いた事実は、「パワーテンヤ」のポテンシャルを雄弁に物語っていた。
落として、誘って、掛ける——その一連の動作が中毒的に楽しい。
船上の全員が、この釣法の“魔力”にすっかり取り憑かれていた^^v
興味のある方は、ぜひ下記の動画でその臨場感を体感してください。
今回の動画
今回のポイント
ディープでの「パワーテンヤ」は、テンヤ操作・ライン管理・ロッド角度の3つが密接に連動しています。
下記の6ポイントは、すべてが“ひとつの動作の流れ”として繋がっているので、実際の釣りをイメージしながら読み進めてみてください。
② 着底後はライン操作を主体にテンヤを一回シャクる(リフト)。
※テンヤが払い出す局面ではシャクリ幅を抑え、上げ過ぎないこと。
③ テンヤが払い出されたら、着底時にラインを出して追従させる。
④ アタリを取るときは、ロッドティップに視線を置き“手感度”に全集中する。
⑤ 水深が浅くなったらラインを巻き取り、着底時のロッド角度を一定に保つ。
※ 着底時の理想角度は4時。 完璧でなくても3時〜5時の範囲で意識すること。
ロッド位置が高すぎるとリフト&アワセ時に力が逃げる。
⑥ アタリを感じたらロッドは使わず、リールで“巻きアワセ”。
※ドラグはフルロックまたは指ドラグで掛け、ヒット後に臨機応変に調整。
この時のタックルデーター
フラッグシップモデル「VRKB-LV2」
エントリーモデル「VR-Z 220B LV2」
★【ライトスローロッド】
タチウオジギング用ソリッドタイプ
※流用ロッドが使用可能でこれが敷居が低いメリット
★リール
ベイト200〜300番クラス★【メインライン/リーダー】
PE0.8〜1.0号300m〜/フロロ4〜6号2m
★【一つテンヤ】
「超三笠テンヤ」MAX(タングステン製30号)
COゴールド、クレイジーレッド、ブラックダイヤモンドG
★【一つテンヤアシストフック】
ダブルフックチューンにしても良いかも(要検証)
★【ジグ】
SUPER SUB 150g
グリキン
最後に
奇跡的な釣果に恵まれた今回の撮影。
とはいえ、毎回こんな“ご褒美展開”があるわけではありません。
それでも――ディープ・パワーテンヤの可能性は、まだ入り口にすぎません。
今後もこの釣りが好きな仲間たちと、未知の領域を掘り下げていきます。
「ジギングだけでは厳しい…」と感じている方こそ、このパワーテンヤを一度試してみてください。
釣りの世界が、きっともう一段広がるはずです。
いつも最後までお読みいただき、ありがとうございます。
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また、今回登場した「超三笠MAX」「SUPER SUB」の仕様については [公式ページ]にまとめています。
ご購入を検討される方は、公式ECサイトからご覧いただけます。



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