今回の記事は、サーフからフラットフィッシュを狙った実釣撮影のレポートです。
「活きエビが無いと釣れないんじゃないか?」という声もよく聞かれますが、実際にはその先入観が参入障壁になっているのも事実。そこで今回は、あえて“ワーム縛り”で挑み、サーフの環境でどこまで通用するかを検証しました。
時系列で当日の展開をまとめていますので、ぜひ最後までお付き合いください。
本格サーフ!鳥取県「鳥取砂丘」攻略
挑戦のきっかけはシンプルなものだった。瀬戸内を中心に「カサスタ」で再現性の高い釣りを積み重ねてきた経験が、少しの自信となって背中を押してくれた。
瀬戸内のサーフでも試すことはできたが、あえて選んだ舞台は鳥取砂丘。より広大で本格的なサーフを「活きエビなし」で攻略してこそ意味があると考えた。
広大な「鳥取砂丘」に初エントリー
撮影の約1か月前、仲間と2名で鳥取砂丘に挑んだ。
事前に細かい情報はあえて仕入れず、確認したのは風予報と安全面だけ。午前中に現地へ到着すると、目の前に広がる砂丘のスケールに圧倒される。
シーズナルパターンも何も分からない手探りの状況だったが、周囲には地元のアングラーが数人。少なくとも魚の気配はありそうだと感じながら、初めての砂丘にエントリーした。
エントリーしたポイントはベタ凪で、潮の流れが手に取るように分かる状況だった。偏光サングラス越しには地形の変化も確認でき、頭の中でイメージを組み立てながらキャストを開始する。
フラットフィッシュが怒涛のラッシュ!!
先発のタックルは「三笠テンヤ」3号と、ロッド「VR-X 92S LV2」。
水深が浅いエリアだったため、巻きシャクリを入れてフォールの時間を少しでも長く取るよう意識した。
その操作を繰り返すうちに、テンションフォール中に「ゴン!」と明確なバイト。ファーストヒットはヒラメ(ソゲクラス)。
潮の筋と地形変化を意識して、立ち位置を少し変えて同じように攻めると、再び「ゴン!」。連続でヒラメがヒットした。
短時間で2匹目を追加できたことで、思わぬ展開に2人とも驚きと高揚感を隠せなかった。
さらにマゴチを追加し、立て続けにバイトが続く。
約1時間の間に複数のフラットフィッシュが姿を見せ、想定以上のラッシュとなった。
そして、移動前に仲間に喰ってきた良型のチヌ。
実はこの時、翌日の船釣り用に準備していた「活きエビ」を試している。正直に言えば、そのおかげで反応を得られた部分もあっただろう。
ただ、当日の魚の活性やアタリ方を振り返ると、ワームでも同じ展開で再現できたと感じている。
初日はあくまで調査が目的だったが、鳥取砂丘で一定の手応えを得られたため、その後は西へ移動し米子方面をランガン。結果的に「出来すぎ」と言えるほどの釣果となった。
鳥取砂丘での撮影初日
初回の調査である程度の手応えを感じ、2週間ほど間を空けて本番の撮影に挑んだ。
最大の不安要素はシーズナルパターン。あえて情報をシャットアウトし、自分たちの力でリアルに開拓・攻略することをテーマにした。
潮周りは前回とほぼ同じ条件を選んだが、前日までの時化によるウネリがまだ残っていた。さらに現場は無人で、釣り人の姿は一人も見えない。
調査は砂丘の西寄りで行ったが、撮影本番はロケーションの良さを重視して東寄りを選択。初日から不安と期待が入り混じるスタートとなった。
ボトムトゥイッチで最初の反応
タックルは前回と同じ。ただし活きエビは封印し、ワームオンリーでの攻略とした。
この日は極めて浅い水深。そこで投入したのが「ボトムトゥイッチ」だ。テンションフォールの時間が取れないシャローで、テンヤを小刻みにボトムへ当てながら巻き取ることで、連続的にフィッシュイーターへアピールできる。
開始早々に「ゴッ」と明確なバイトがあったが、ショートバイトでフッキングには至らず。続けざまに「ガゴッ」と反応はあるものの掛けきれない。
それでも直後のバイトがうまく乗り、細身ながらコンディションの良いマゴチをキャッチすることができた。
しかし小一時間ほどでアタリが遠のき、早い段階で手詰まりとなった。
原因は潮加減の変化に加え、ベイトやシーズナルパターンなど複数の要素が絡み合っていたのだろう。
結果自体には納得できなかったが、不思議と冷静で「次につながる」と思える手応えも残っていた。
再挑戦、撮影2回目へ
日本海の季節風が強まる前に決着をつけたい──そう考え、初回から2週間後に再撮影を計画した。
風予報とにらめっこの末、タイミングを見極めて出発。現場に着いたのは午前7時ごろ、今回はちらほらと他のアングラーの姿もあった。
前回とは一変!「ゴン」と激しいバイト
期待を込めて、アングラーの間を縫うように広大なサーフへエントリー。
瀬戸内で培ってきた「潮を見る目」と「地形変化の読み」を頼りに、2つの条件が重なる場所を重点的に狙った。
さらに今回は、これまでの2回とは潮回りが真逆。その違いがどのように作用するかも試すことにした。
開始から30分ほどは反応がなく、ノーバイトの時間が続く。だがウネリが残る中、「チョンチョン」とボトムを探っていたケイのロッドが突如大きく絞り込まれる。
前回とは一転、「ゴン!」と明確な衝撃。叩きつけるような引きに耐えながら寄せてきたのは、ブリブリに肥えた肉厚のマゴチだった。
「三笠テンヤ」4号+ワームのボトムトゥイッチで、見事、沈黙を打ち破る。
同じパターンで連続ヒットし、立て続けに2匹をキャッチ。フラットフィッシュらしい鋭いアタリに、再現性の高さを実感できた。
その後も潮の変化と地形の条件が重なる場所を重点的に攻めると、次々と反応が返ってくる。まさに“出来すぎ”と言える展開だった。
ただ一つ心残りだったのは、撮影でヒラメを獲れなかったこと。しかし「活きエビがないと釣れない」という先入観を払拭できたのは大きな収穫だ。
実際の現場の動きや雰囲気は、ぜひ動画でご覧ください。
今回の動画
今回のポイント
サーフで「ボトムトゥイッチ」を展開するうえで押さえておきたいポイントを整理しました。ぜひ参考にしてみてください。
※水深1~2mなら、より深い側を意識(2m)を意識
②周囲に人がいなければクロス気味にキャストし、広範囲を探る
③意外と波打ち際10m前後の近場でバイトが多発する
④ハーフピッチの“ボトムトゥイッチ”を一定のリズムで繰り返す
⑤ワームは抵抗をつけられるシルエットを選ぶと効果的
「三笠テンヤ」を使った浅場のサーフ攻略は、他のリグに比べてノイズが少ないのが特徴。魚に違和感を与えにくく、キッカーフィッシュを連続バイトへ持ち込みやすいと感じています。
この時のタックルデーター
「VR-X 92S LV2」
★【リール】
4000XG
★【メインライン/リーダー】
PE0.6~0.8号200m/フロロ3号2m
★【テンヤ】
「三笠テンヤ」3号,4号
ゴージャスピンクG、クレイジーレッド
【ワーム】
3インチ前後の「ホッグ系・クロー系ワーム」
最後に
今回の鳥取砂丘(本格的なサーフ)での“ボトムトゥイッチ”により、「活きエビがないと釣れない」という先入観を払拭することができました。
軽めの一つテンヤにワームを組み合わせ、小刻みにボトムを叩くシンプルな釣法ですが、一定のリズムで続けることでフラットフィッシュにスイッチが入ります。まさに猫じゃらしのように反応を引き出せるイメージです。
生粋のヒトツテンヤーにとっても興味深いアプローチだと思いますので、ぜひ現場で試してみてください。
いつも最後までお読みいただき、ありがとうございます。
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同じくショアテンヤで川のような激浅ポイントを攻略した記事も公開していますので、ぜひあわせてご覧ください。👉 激浅ポイントで大鯛!?川のような海流を攻略したショアテンヤ釣行
また、今回登場した「三笠」の仕様については[公式ページ]にまとめています。
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