今回の記事は、V.I.SOULの独自世界観である「日本的擬似餌思想(ルアー)」を軸に、スズキ(シーバス)を狙った経緯と、厳冬期に得られた実践的な気づきをまとめたものです。
決して突発的な「ルアーでスズキを狙おう!」ではなく、そこには明確な理由と背景があります。
興味のある方は、ぜひ最後までお付き合いください。
スズキ(シーバス)を擬似餌(ルアー)で狙うに至った経緯
2024年12月中旬から強風が続き、目当ての現場は壊滅的で中止が相次いだ。
そんな中、風の影響が少ない地元で「シーバスやります?」と誘われたのが今回の始まり。
「今さらシーバス?」と思いつつも、“日本的な擬似餌思想”を掘り下げたいと考えていた時もあり、渡りに船とばかりにその誘いに乗ることにした。
これが想像以上に奥深く、12月から2月にかけて怒涛の現場検証が続いた。
四季ではなく“寒の中”にある魚の動きを読む時間は、まさに没頭できる厳冬期だった。
ここでは、欧米的ルアー理論ではなく、あくまでも日本人的感覚で、地味だけど本質をお伝えできればと思う。
キャッチ&リリースを否定するつもりはないが、根底にあるのは「釣った魚は食べる」という基本。
地域的に個体が減少している魚種が釣れた場合はリリースしたり、あえて狙わない事を美徳とする。
自宅から1分~10分圏内で3つの現場
厳冬期にここまで没頭できた最大の理由は、何より現場が近かったこと。
自宅から1〜10分圏内に3つのポイントがあり、仮にボウズでもダメージゼロ^^
ただし、3箇所ともそれぞれ特色があり、狙いどころが違うので戦略・戦術をアジャストできなければ釣れない。逆に噛み合えば極めて再現性の高い釣りが展開できるエリア構成だ。
A地点
自宅から約10分。上げ潮で機能する浅場の常夜灯絡み。
地理的に上げ始めは釣りにならないが、潮が四分ほど進むと一気に活性が上がる。
12月中旬はアミを主ベイトに、産卵絡みの個体も混じる。
ただし水温変化の影響が大きく、2月は最低4℃まで落ち込むため、タフ化しやすい厄介な場所。※最低水温期は魚が抜ける
B地点
自宅から約5分。基本、下げのポイントで常夜灯が絡み、そこそこ水深があり潮流速い。
A地点同様、12月中旬から1月初旬はアミを捕食している個体もあり、産卵絡みの個体も見受けられる。
タイミングとレンジを合わせられれば、真冬でも好反応が得られるポテンシャルを持つ。
C地点
自宅からたったの1分。どちらの潮もいけるそうだが、個人的には下げが良いかなと。
適度に潮は流れるも、その都度、潮がころころ変わるので攻めどころが難しい。
スズキ/鱸(シーバス)の個体数は多そうだが、小型も多いので派手にガチャガチャすると小型が反応する傾向。
常夜灯絡みで、厳冬期でもベイトは安定してるっぽいが、2月はめちゃくちゃシビア…
12月中旬から2月中旬にかけてスズキ/シーバス攻略
ひょんなきっかけで始まった、厳冬期のスズキ擬似餌攻略。
発端は、夏〜秋に夜な夜なウナギ釣りを共にしていたA君の一言だった。

A君は地元3箇所の現場に精通しており、その経験をもとに効率的な攻め方を熟知していた。
田中は有利な立場でスタートできたが、単なる情報依存ではなく、自分の感覚と経験値を織り交ぜて再現性を検証する姿勢を貫いた。
「与えられた通りにやる釣り」ではなく、「自分の中で答えを見つける釣り」。
だからこそ、ここまで没頭できたのだと思う。
12月中旬にB地点から開始
B地点からの初戦は、想像以上にイージーだった。※ブログに載せるつもりはなかったので写真なし
水温はまだ高く(おそらく10℃前後)、ミノー・バイブ・シンペンいずれも反応が良好。
なかでも効果的だったのは、バイブレーションをアップクロスにキャストし、流れに乗せながらリフト&フォールで誘う展開。
フォール中はリールをゆっくり巻き、ラインを張り気味にスライドさせながら沈める。
潮が速い状況では28g中心に使用し、中層レンジを丁寧に通す。
この方法が圧倒的に効き、「こんなに釣れるん?」と驚くほど反応が出た。
2〜3本釣れば十分と判断して休憩。
隣でM君がボコボコ釣り上げるのを見て「うんうん」とさらに納得で終了。
ここで深追いしないのが、日本的擬似餌思想の“余白”でもある^^
やがて水温が下がり、1月中旬には反応が消滅。
B地点から撤退する頃、釣った個体を捌くとアミを捕食していたのが印象的だった。
A地点ではフローティングミノーが活躍
A地点は上げ潮限定ポイント。
この時の主なベイトはアミで、潮下に人工物があり、アップクロスのドリフトが基本戦術。
明暗部にドラフトさせてフローティングミノーをゆっくり巻くと、「ポコン」と独特のアタリ。
これは尾や体で叩くスレバイトで、魚がルアーを“攻撃対象”として認識しているサインだった。

アミを食っているからといって小型ルアーに頼ると逆に無反応。
120〜140mmのミノーで、水面直下10cm前後をフラフラ泳ぐタイプが最も安定して口を使わせた。

“マッチ・ザ・ベイト”の概念を改めて考えさせられた場面だった。
1月中旬になるとショートバイトが激増し、水温4℃で魚が完全に抜けたと判断して、A地点を終了。
C地点でランカー捕獲
A・B両地点が沈黙する中、「試しにC地点行ってみようか?」と新たな検証を開始。
この場所は3つの中で最も水温が高く、ベイトの気配も濃厚。
16g前後の軽いバイブを、ブルブル感じない極ゆっくり引くパターンがハマり、中〜下層を意識して通すと「ゴン!」。
80cm超のランカーを捕獲!

ただし低水温のため、引きは穏やかでランディングは拍子抜け。
とはいえ、わずか1ヶ月の試行でランカーに辿り着けたのは大きな成果だった。
その後は再び冬型が強まり、風速4mを超えると釣りにならない状況へ。
下の画像は、1月下旬にかろうじて獲ったぎりぎりハネサイズ。

気温5℃・水温6.5℃の2月20日、「ポコ」アタリ一回で終了。
それ以降は猛烈な風の日が多く、繊細なゲームメインの戦術なのでエントリーできず…
引き続き、タイミングを見計らってC地点での検証は行う予定。
追記、2025年3月7日から上昇気運
2月後半の沈黙から一転、3月7日、春の兆しとともに活性が上昇。
最寄りのC地点に再エントリーすると、試作ルアー(ミノー寄りのバイブ)で「ドゥン!」と強烈なアタリ。
久々のヒットでプロトルアー丸呑み!

しかしタックルカバンが見当たらず、ランディングツールなしで四苦八苦^^;
外すのを諦めて車に戻ると、車の横にタックルカバンが…深追いせずに帰宅。この日の気温は6℃で、水温が7℃。
ランカークラスヒット!するも痛恨の…
翌日、同条件で再挑戦。ゆっくりテロテロ巻いていた3投目に再び「ドゥン!」。
フッキング成功も、走り出した瞬間にPEラインブレイク。
手応え的にランカークラスだったが、プロトルアー(バイブ寄りのミノー)もロストする痛恨の大一撃…
プロトをロストから釣行ペースが激落ちしたが、その後、トップガイドのリング割れが原因でラインブレイクに繋がった事が判明……
捕食餌が判明! スズキが食べていたのは…
長く疑問だったC地点のベイトが判明。なんとスズキは小さなカニを捕食していた。
それにしても、アタリの無いルアーが多い中、アタッても乗らない中、試作のルアーのアタリ方は…再度制作できるかな……

カマ付近のムニエルを食べたが、「え?スズキこんなに美味い??」と思うほど、身がシットリふわふわで、皮目がパリッと魚臭く無い最高な甘みだった。

フライは更に美味しかったが、画像を撮り忘れた…
この時のタックルデーター
★【ロッド】
「VR-X 92S LV2」“改”ルアー仕様
★【リール】
スピニング4000XG
★【メインライン/リーダー】
PE0.8号200m/フロロ3号1.5m
PE1.2号200m/フロロ6号1.5m
★【ルアー】
フローティングミノー
(120~140mm/15g~23g)
バイブレーション
(70~80mm/13g~28g)
最後に
さて、ルアーから離れていた私が、紆余曲折あって地元の厳冬期に“擬似餌(ルアー)”でスズキを狙うという……。
今後の展開はまったく読めませんが、「日本的擬似餌思想」と称し、新たな可能性を探れたらと思っています。
大量生産・大量消費・大量廃棄のサイクルから一歩離れ、日本固有のマテリアルで作る“擬似餌(ルアー)”。
ただし、誰もやっていない領域ゆえ、製作も現場検証もまさに雲をつかむような挑戦。
今後どう進化していくかは、まさに“神のみぞ知る”──。気長に次のネタをお待ちください。
いつも最後までお読みいただき、にありがとうございます。



コメント