ショアテンヤでは攻めきれない岩礁帯攻略|根掛かり回避と2つのアイテム検証

フィールドテスト

今回の記事は、ショアテンヤで直面しがちな「ここはガチャガチャだけど魚はいるはず」という局面を打開するための、2アイテムの開発経緯と実践結果、そして見えた可能性についてお話します。

ガチャガチャの岩礁帯を攻略しつつ、キッカーフィッシュにスイッチを入れる一つの釣法として、ぜひ最後までお付き合いください。

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テンヤのイメージで岩礁帯を攻略するアイテム

陸っぱりで根の荒い岩礁帯を狙うとき、多くの人はロックフィッシュゲームを思い浮かべるだろう。私自身も同じだが、視点を少し変えると「ロックフィッシュ」と「一つテンヤ」を組み合わせたイメージに行き着いた。

そこから自然に着想したのが、プロトアイテム裏三笠と、それを操作するためのロッドVR-X 85B LV2。特別に奇抜なわけではなく、実釣での違和感や課題を整理していく中で、ごく自然に形になった発想だ。

「裏三笠」とは?

ヘッドは三笠テンヤそのままで、親鈎を無くしてオフセットフックを装着できるようにしたアイテム。初期プロトは交換不可でしたが、最終的には自分の好みに合わせてフックを選べる交換式を採用。

また、テキサスシンカーのように遊動タイプとして使えるバージョンも開発。用途や状況に合わせて2タイプを使い分けられる構成。

ヘッドカラーには一つテンヤで得た知見を活かし、水を動かす波動とカラーの相乗効果を狙う。この要素にワームを組み合わせることで、キッカーフィッシュにスイッチを入れる——そんな仮説を立てている。

さらに三笠ヘッド特有の形状とバランスによって、根掛かり回避力やワームの牽引力にも手応えを感じている。ただし、それを現場で実証するのは一筋縄ではいかず、それが一番面白い。

「VR-X 85B LV2」とは?

「VR-X 85B LV2」は、ショア一つテンヤ専用機VR-X 92S LV2」の兄弟機にあたる。92Sが持つポテンシャルをベイト仕様に落とし込み、ショアテンヤとロックフィッシュを融合させたイメージだ。

ティップの繊細さ、感度、レスポンスはショアテンヤの味付けをそのままに、V.I.SOUL特有の繊細さとパワーを兼ね備えた設計になっている。ある意味では矛盾した性能だが、そのバランスこそが既存のロックフィッシュロッドとは異なる存在感を生み出している。

外観は装飾を削ぎ落とし、一切の無駄を排したシンプルな仕上げ。無骨なレーシングロッドのようなデザインで、魚を獲るための武器という印象が強い。

このロッドと「裏三笠」を組み合わせることで、岩礁帯攻略に対する固定観念が少しずつ塗り替えられていくかもしれない。

今まで経験がないほど大型アコウが連発!

2年越しの構想を抱えていた頃、サブでお世話になっているTG部長から「ボートでロックフィッシュに行きませんか?」と誘いがあった。まさに絶妙なタイミングだった。

5月14日、いよいよ「裏三笠」「VR-X 85B LV2」を本格導入。地元近くの秘密の“アコウの巣”で、アンカーを打ち固定した状態から釣りを開始した。

海底は障害物が点在し、水深はトップが7m、周囲は13m。キャストして着底を確認し、「裏三笠」をスッとリフトさせてからテンションフォールで落とす。派手に動かさず、軽く浮かせるのがコツだ。

最初に食ってきたのは良型のカサゴ。幸先の良いスタートになった。

続けて同じように、丁寧にリアクションを効かせたリフト&フォール。すると、いきなり「ゴッン!」と強烈なバイトが走った。

フッキングした瞬間から伝わる重量感は明らかに別格。かなりのサイズを確信したが、「85B 」のパワーで主導権は渡さなかった。フルドラグのまま寄せきり、横綱級の50アップアコウをランディング。

全く同じパターンで、サイズはやや落ちたものの、文句なしの重量級アコウを追加。これも瞬殺で取り込むことができた。

細糸で駆け引きを楽しむショアテンヤとは違い、しっかりと魚と綱引きができる。このスタイルは自分にぴったり合っているのかもしれない──そう感じた瞬間だった。

どうにもならない大物にラインブレイク…

障害物に当てながらボトムバンプを繰り返していると、再び「ドッゴン!」と強烈なバイト。重量感は明らかに別格だった。

フルドラグでリフトしても全く動かず、「グングングン!」と数秒間の綱引き。その直後、何かに擦れた感触とともにラインブレイク。思わず「どんな魚だったんだ…」と呆然とした。

このポイントでは過去にも正体不明の大物に何度もやられているらしく、まるで“お化け”が潜んでいるようだ。

その後は50アップのアコウをもう1本追加し、この日のショア想定ボートロックフィールドテストは短時間で終了。

買い物カゴに入れた怪獣たち、、、確か3匹だけお持ち帰りであとはリリースしてあげた。

年々増えている感がある瀬戸内のアコウ(キジハタ)だが、大型個体を抜けるだけ抜いてたら枯れる可能性があるので、コントロールしながら^^v

地元は笠岡諸島の「半夜のアコウ釣り!」調査

この日は地元でお世話になっている笠岡渡船で、半夜のアコウ調査に出かけた。

5月18日、午後6時半に笠岡港を出船し、一番近い初場所へ渡った。外向き・内向きの両方へキャストできる波止で仲間と2人で調査し、別の仲間は真鍋方面へ。

一撃で想定外の大型ヒラメを捕獲

最初の一投は、知り合いに「ヒラメがいる」と聞いていたポイントへ。着底と同時に「食ったか?!」と慌ててフッキング。準備不足のままゴリ巻きすると、上がってきたのは大型のヒラメだった。

タモの準備をしておらず、水面で暴れるヒラメを見ながら「これはバレるかもしれない」と冷や汗。だが仲間が素早くタモを構えてくれ、何とかランディングに成功。

アフターで痩せてはいたが、タモに収まったのは60クラスのヒラメ。偶然性は否定できないが、最初の1匹としては十分すぎる結果だった。

裏三笠で実感した再現性あるアプローチ

その後は外向きを重点的に調査。固定テンヤでは一撃でロストするような岩礁帯でも、「裏三笠」を通すことでコンディションの良い中型アコウを追加。攻略方法は一貫して、ティップで「スッ」とリフトさせてからテンションフォールで着底させるシンプルな繰り返し。

この動作が基本となり、まずはヘッドの水押し波動とカラーの効果によって、魚は視覚だけでなく感覚的にも仕掛けの存在を捉える。さらに独自の形状とバランスが作用し、どんなワームを組み合わせても安定した牽引力を発揮する。

それぞれの要素が働いた結果、キッカーフィッシュにスイッチが入り、狙い通りの反応を得られた。リアクション一つテンヤの理論が、ロックフィッシュ攻略に結びついた瞬間だった。

そのほか、小型アコウを1匹と、小さなアタリを数回キャッチ。狙った潮が少し合っていなかったため、次回は条件を変えて再挑戦したいと思う。

今回のフィールドテストは、もしヘッドと鈎が固定式のテンヤだったなら10個以上はロストしていたシチュエーション。それを「裏三笠」は一つもロストせず、なおかつキッカーフィッシュを仕留めることができたので、手応えは十分だった。

「裏三笠」操作のコツ

①勢いよく「シュッ」とシャクるのではなく、スッとリフトするイメージ
強くシャクると岩に深くスタックするリスクが高くなる
③軽くリフトし、岩と岩の間をすり抜けさせリアクションを効かせる
④「ガツ」と掛かったら、すぐラインテンションを緩めて外す
⑤テンションフォール中のアタリは、即掛けでガチファイトへ持ち込む

これらを意識するだけで、根掛かりは大幅に減らせるし、魚を手にできる確率も高まるはずだ。

リアクションの考え方そのものは、固定テンヤの「カサスタ」と同じイメージ。ただし、その感覚のまま岩礁帯をタイトに攻められるのは、「裏三笠」の大きなアドバンテージになるだろう。

この時のタックルデーター

★【ロッド】
「VR-X 85B LV2」 プロトタイプ

★【リール】
ベイト200番クラス

★【メインライン/リーダー】
PE1.2号200m/フロロ6号3m
★【リグ・シンカー】
「裏三笠」6号プロトタイプ オフセットフック使用 
★【ワーム】
ホッグ系4インチ

最後に

ショアテンヤでは攻略が難しかった岩礁帯を、2つのアイテムで挑んだ今回の初見フィールドテスト。皆さんにはどのように映ったでしょうか。

構想から2年。「裏三笠」と「VR-X 85B LV2」を駆使することで、新しいロックフィッシュゲームの形が見えてきました。振り返ってみると、このタイミングだからこそ、これまでの経験や試行錯誤が線でつながり、すべてがリンクしたのだと思います。

その結果、リアクション一つテンヤ「笠岡スタイルから派生した概念が、さらに死角のない領域へと進化したと感じています。

今後は、一般的なロックフィッシュ用シンカーと「裏三笠」の違いについても、少しずつシェアしていきますので、ぜひ楽しみにしていてください。

いつも最後までお読みいただき、ありがとうございます。

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今回の初見フィールドテストでは、ショアテンヤで攻めきれなかった岩礁帯に挑みました。

同じように現場の条件を紐解きながら挑んだ実釣記事もあわせて読むことで、釣法の再現性がより鮮明になるはずです。
👉 浦戸湾ロックフィッシュ攻略|チャマル&ヤイト本命キャッチ!

今回登場した「裏三笠」の仕様などは、[公式ページ]にまとめています。
購入を検討される方は、[公式ECサイト]からご覧いただけます。

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