今回の記事は、前日に行ったショア(陸っぱり)ロックフィッシュ撮影の続編。
舞台をオフショアへ移し、同じ戦略・戦術をレンタルボートで再現した「ロックフィッシュオフショア編」をお届けします。
ショアとボートで何が変わり、どこが共通して通用するのか――。
オオモンハタやアカハタなど、底物攻略のリアルを知りたい人は、ぜひ最後までお付き合いください。👉前日の撮影の様子はコチラから
愛媛県は宇和海のレンタルボートロックフィッシュ!
当日は予報とは裏腹に朝から雨模様。
今回お世話になる戦友と無事に合流し、オオモンハタとアカハタを狙って未知の海域へ。
先発タックルは岩礁帯上等「裏三笠」&「VR-X 85B LV2」。
根魚を狙う2つの基本所作
基本、オオモンハタは「巻き巻き」、アカハタは「ボトムチョンチョン」で狙う。
【巻きの基本手順】キャスト → フリーフォールで着底 → すぐに10回転ほど巻く → フリーフォールで再着底 → 巻きの繰り返し。アタリを感じたら即フッキング。巻きスピードは1秒間にリールを2回ほどが目安。
【ボトムチョンチョンの基本手順】キャスト → フリーフォールで着底 → ロッドで1〜2回シャクってリフト → Tフォールでアタリを取る → 再びシャクリ。この繰り返しでテンポよく探る。※瀬戸内海でアコウ(キジハタ)を狙うイメージ。
リグは徐々に手前に寄ってくるので、船下に来たら回収して再キャスト。この方が手返しが良く、チャンスも格段に増える。

そんな中、雨でも「気持ち良いのでまっいっか!」とカッパを着ずにいたら、現着する頃には3人ともずぶ濡れ状態…
現着後すぐ「ガン」と本命オオモンハタ悶絶バイト!
15分ほど走っただろうか。
1箇所目は岬状に張り出した地形で、いかにも根魚が潜んでいそうな雰囲気ぷんぷんの場所。
和船には計器類は一切ないので、経験値と勘という最強のセンサーで魚を探す。※暗礁は要注意
まずは様子見で、8号(約30g)の「裏三笠」ガンツウから開始。
すると、いとも簡単に「ガンッ!」と、オオモンハタ特有のやる気アタックが炸裂!陸っぱりと全く同じ展開。

30cmあるなしのサイズだったが、スイッチが入った明確なバイトと、ヘッドシェイクを交えながら泳ぎは心が躍る。
カッコいい魚体と斑紋模様にもテンションが上がり、幸先の良い展開に。
この直前、戦友には大型がヒットするも痛恨のバラシ…。
それでも開始早々から、やる気スイッチ全開のオオモンハタが連発し、我々を大歓迎!

魚からの反応を確認しながら、戦友が細かく船の流すラインを調整してくれるので、非常にゲーム展開がしやすい。
ただ、若干の風があり、ドテラで流される船足が速く、せっかくの良いポイントをすぐに通過してしまう難しい状況でもあった。
それにも関わらず、コンスタントに数が獲れる。
この海域のポテンシャルの高さには、正直驚きを隠せなかった、、、

時折アタックしてくる大型のオオモンハタ
のっけからアタリ連発だったので、撮影そっちのけで今を楽しむスタイル…
そんな中、「ドゴンッ!」と明らかに強いアタリがあり、重量感が一瞬ロッドに乗るもフッキングできず、、、(その理由は後述)
思わず、言葉にならない音が口から漏れ、「あっ今の良いヤツですね〜」と、戦友と苦笑いを交わす。
ただ、イージーな状況がずっと続くわけもなく、次第にアタリが遠のく。
それでも沖へ、さらに沖へと移動しながら、大型オオモンハタに狙いを絞っていった。
根魚の巣窟「沖の孤島」で怒涛のラッシュ
一向に収まらない雨に打たれながら、少しずつ沖を目指し突き進む和船。
向かった先は名前を知らない「沖の孤島」で、見るからにガチャガチャ感がヤバそうなところ、、、

相変わらず風の影響で船の流れるスピードが速いので、10号にチェンジして挑むことに。
ランカーオオモンハタ登場!!
まずは、この小さな島の南面の張り出しをメインに、魚の反応を探ると…
必ずと言っていいほど、どちらかにアタリがある状況。「ここはオオモンハタ牧場ですか?!」と思ってしまうレベル…
ここでも良い個体がアタックしてくるが、例の如くフックオンに持ち込めない。小中個体はパクパク状態。
その張り出し付近を執拗に攻めていると、戦友のロッドが今までにない絞り込みをみせ、期待で胸が膨らむ!
そして遂に、45㎝のオオモンハタをGETし、一同ほっと一安心!!地味にダブルヒットで田中は可愛いオオモンw

おおむね小型は色が濃く(岩色)、大きくなるにつれ色が薄くなる傾向なので、大型は根から離れて回遊しているのではないかと推察できる。
アタリ止まらずランカーサイズ追加!!!
オオモンハタ牧場は止まることを知らず、「魚がおれば絶対にアタる!」と、思わず調子に乗ってしまうほど超アグレッシブな反応を見せる!


そして、またしてもノラノラさんがランカーサイズ(47㎝)のオオモンハタを仕留める!!
さすが、この界隈に通い込んでいるだけの実力がある。
ここまでで、「裏三笠」によるシンプルな“巻き巻き”が炸裂し、できすぎな結果に…

とはいえ、いくら釣れ続けているからといって、そこに魚が居続けるわけではない。
ガンガン移動して“当てに行く”スタイルを貫く!

岩礁帯の赤い宝石「アカハタ」狙いにシフト!
9時台にしてすでに撮れ高がハンパなく、1日釣りをしているような満足感、気持ち良い疲労感を堪能。
そして遂に、「そろそろアカハタ牧場行きますか?」という事で、もう少し沖にある「絶海の孤島」へ。
40㎝超えの超ランカー「アカハタ」の根城
今回のポイントで一番ガチャガチャ度合いが凄かった「アカハタ牧場」。
若干、黒潮の影響を受けているのか、水の色もそれっぽく「めっちゃアカハタ釣れそう!」という雰囲気。
40㎝超えのランカーも狙えるポイントなので、期待せずにはいられない。
狙う水深は、今まで釣ってきたエリアと同じく、MAXで30m前後のイメージ。
冒頭でも触れた通り、基本はキャスト→着底→チョンチョンと、ボトム(底)をメインに狙うスタイル。
「アカハタ牧場」で良型のアカハタGET!
序盤は、北側の海底に続く馬の背付近を中心に、船の流れを見ながらカケ上がり・カケ下がりを探る。
アタリはあるが小型がポロポロ拾える程度で、狙っている大きい個体からの反応がない。
贅沢な話だが、欲が出るのが釣り人の性…
そんな中、少し沖のカケ下がりシチュエーションで、ベイトリールのクラッチを切りながらラインを出し、底をトレース。
良い感じで「コン」とバイトがあり、30㎝弱ほどのブリブリ個体をGET!

写真では分かりにくいが、肉眼で見た「アカハタ」はとても赤が濃く美しさに惚れ惚れするほど。

その後、孤島の西側には渡船アングラーの姿があったので、東側を南下しながらさらに魚を探索。
なんとなくの感覚で「沖側かな」と判断し、フォール時間を長めにとって沖へキャスト。
いつも通りのボトムリアクション「チョンチョン」「ゴン!」とイメージ通りの展開で、サイズアップとなる真っ赤なアカハタをGET!

ここは、偏光グラスでも目視できないほど大きな“隠れ瀬”があり、ヒットしたのはその際(潮裏)だった。
こうしたポイントは魚の着き場になりやすく、潮の変化が出やすく餌も豊富。

2匹とも腹の膨らみ具合がパンパンだったので「産卵個体かな?」と思っていたが、思った通り腹には卵があった。赤が濃かったのも婚姻色だと思う。
おそらく、大型(40㎝オーバー)はポストかアフター直後だったので、口を使わなかったのかなと想像できる。
それでも十分「アカハタ牧場」を堪能でき、アカハタ牧場編の動画としても成立!ここまでの流れとしては最高の流れだ。
再度オオモンハタ狙いのランガンスタイルへ!
アカハタ牧場をあとにした我々は、再びオオモンハタ狙いへシフト。
が、時計を見るとまだ10時台という…^^;
もう少し沖に出れば、さらにポテンシャルの高い牧場もあるらしいが、この日は風があり、安全第一という判断で陸側のワンドへと向かった。
沖の荒々しさとは打って変わって、穏やかで柔らかい海の雰囲気。
気づけば雨も止み、青空が少しずつ顔を出す――そんなタイミングだった。

潮が止まったまったり時間に、お初となる「マダラエソ」^^

小型中型のオオモンハタ写真はないが、行くところ行くところでポロポロ釣れ続け…

この日、3度?4度?となる大型オオモンハタをフックオンできず… この時点でハッキリした理由は分かっていたが、撮影中にも関わらず修正せずに検証を続けた。
オオモンハタの無双状態に突入、、、
正午を過ぎたあたりから、完全にスイッチが入ったオオモンハタ…
リリースを含め(大型以外ほぼリリース)数を数えるのを諦めるほどの釣れっぷり。
さらに内湾部へと移動し、風が落ち着いたタイミングでエンジンカット。
ここからは“ドテラの極み・永遠流し戦法”に突入!
サイズ問わず、オオモンハタが次々とヒットし、牧場のポテンシャルを実感!!
「裏三笠」グリキンがどハマり連発!
そんな中、「裏三笠」グリキンを投入したことが功を奏し、アタリが止まらない。
これぞ、「ロックフィッシュ新戦略」の重要な要素のひとつ――“カラーの力”。
明らかなヘッドカラーの優位性で、魚のスイッチの入り方が違い、家で眠っていた二軍・三軍級ワームでもパクパク…
まぁ話半分ほどで……


撮影終了時間は決まってなかったが、私がことごとく大型個体をしくじるので、時間ばかり過ぎる。魚は無限に釣れる。
そんな中、5度目?となる大型フッキングミスにより「もうそろそろ終了か、、、」と思った矢先、「ゴン!」と一際激しいバイトが!
遂に40超えのオオモンハタをGET!
フッキングと同時に伝わる重み、ヘッドシェイクの感じがまずまずだったので「40超えたかな?」と思いながら上げてくると、最後のさいごで40アップ捕獲成功!!

50アップとはいかなかったが、最後に良い魚が獲れたのでほっと一安心。

ということで、まだまだ夕暮れまで粘れたが、諸事情もあり、今回は15時半で終了。
撮影という制約のある中、最後まで全力でサポートしてくれた戦友とカメラマンに心から感謝^^v

港に帰ったら「恵比寿様」もニッコリ大歓迎してくれ、二日間にわたる撮影が無事に終わった事を実感できた瞬間だった。

なぜ根魚は「裏三笠」に好反応を示すのか?
今までにも「裏三笠」については何度も触れてきたが、今回は少し違う角度から、その“本質的な強み”にフォーカスしてみた。

運送用トラックのトレーラーヘッド(駆動部)を想像してもらうと分かりやすい。
トレーラーのヘッドが「裏三笠」、荷台部分がワーム。
どちらかが欠けても機能しないが、荷台(ワーム)を引っ張る上でのヘッドの役割は絶大。
「裏三笠」は、シャッド系・ホッグ系などフォルムの異なるワームを、姿勢を崩さず安定して牽引できる。
“巻き”でも“ボトムチョンチョン”でも素直に動き、潮が効いていても安定姿勢を保つ――それが「三笠型ヘッド」の能力。
ヘッドが変に暴れない分、ワームが本来もつ“生命感”がそのまま活きる。
結果、キッカーフィッシュを引き出す確率が高まる。もちろん、数値化できる話ではない。
だが、これまでの実戦データが何よりの証拠だ。難しいギミックや派手な機構も本質であれば重要。
“単純の中にこそ本質がある”――それが裏三笠の哲学である。
今回の動画(オオモンハタ牧場編)
今回の動画(アカハタ牧場編)
今回のポイント
① 水深MAX30mほどでは、船が流されやすいので「10号」がベストバランス。
② 基本、オオモンハタ=巻き、アカハタ=ボトムチョンチョンで攻略。
③ 不意に化け物級の魚もヒットするので、ドラグのフルロックは危険かも!?
④ 各所に暗礁が点在しているため、偏光サングラスで水中確認+GPS魚探活用で安全第一。
⑤ オフセットフックは3/0〜4/0の大きめを選ぶと大型捕獲率がUP。※田中は終始2/0を使用し、ことごとく大型にやられ続けた……
アカハタのしゃぶしゃぶ最高

この時のタックルデーター
★【一つテンヤロッド】
ショアテンヤ専用機ベイトモデル
「VR-X 85B LV2」
★【リール】
小型両軸リール
★【メインライン/リーダー】
私→PE1.2号200m/フロロ6号2m
戦友→PE2.0号200m/フロロ8号2m
★【一つテンヤ】(オフセットフック仕様の一つテンヤ)
「裏三笠」(I型固定&II型遊動(多用))8号、10号(多用)
「クレイジーレッド」「グリキン」「ガンツウ」
★【オフセットフック】
2/0〜4/0太軸
※私は瀬戸内海使用で2/0多用、戦友は4/0多用
★【ワーム】
3.2〜6インチのワーム(魚影が濃いせいかワームの種類で優位性は感じなかった)
バス用ワーム、家に眠っている不良在庫のワームが大活躍!
注釈として、レンタルボートでも「85」のレングスは全く気にならず、むしろこの長さの“楽さ”と優位性が如実に現れた。
普段ロックフィッシュロッドを使う戦友も、全体バランスやレスポンス、魚とのやり取りのしやすさに驚いていた。
ワームは家に眠っていたモノを片っ端から投入。どのワームでもアタリはあるが、塩入りはすぐ壊れるのでNG!
バイトが多すぎて1日で約5パック消費するほど。中古釣具店で安く仕入れていくのも全然アリ。
最後に
愛媛・宇和海での“オオモンハタ牧場”“アカハタ牧場”攻略、いかがだったでしょうか。
瀬戸内では味わえない「巻きで掛ける」オオモンハタの刺激と、真っ赤なアカハタの美しさ・旨さは格別。
どちらも現場でしか得られない体験です。
百聞は一見に如かず——ぜひ現地で感じてください。
いつも最後までお読みいただき、ありがとうございます。
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