今回の記事は、広島県三原沖に浮かぶ「佐木島」で行ったショアテンヤ調査の様子をお届けします。
この島、なんと漁師さんが一人もいないという瀬戸内では珍しいエリア。
「もしかして未開拓の宝庫かも?」という直感から、5月中旬に仲間と調査を決行しました。
前半はプラクティス(事前調査)、後半は撮影本番。
ショアから「カサスタ(笠岡スタイル)」で真鯛を狙った新たな挑戦の記録です。興味がある人は最後までお付き合いください。(笠岡スタイル=ショア・オフショア共にリアクションで魚に反応させる唯一無二の一つテンヤ釣法)
まずは佐木島がどんなところかリサーチ
初めてのフィールドに挑むとき、まず欠かせないのが“現場の俯瞰”。
佐木島では、潮の当たり方・流れの抜け方・水深の変化をデジタルマップでおおむねチェック。
下げ潮と上げ潮でどのように流れが変化するのかを事前にシミュレーションしておくことで、現地での対応力が格段に上がる。
便利な時代だからこそ、現地に行く前の情報整理が釣果を左右する――そんな意識で挑んだプラクティス。
実際のリサーチ手順や、現場で根掛かりを避けながら攻略する方法は、以下の記事で詳しく紹介しています。
まさかのパラダイス!?佐木島初上陸(5月19日)
リサーチを終え、いよいよ迎えた初上陸の日。
ところが、フェリー乗り場に着くなり「その便、今は無いよ」と衝撃の一言……w
朝イチから予定が狂うも、すぐに別ルートへ切り替えて無事、佐木島へ上陸。
島をランガンしながら、デジタル上で描いた潮流や地形イメージを実際の海と照らし合わせて調整していく。
潮の走り方、水深、底質、釣れそうな雰囲気——そのすべてが想像以上に濃い。
道路も意外と整備されており、普通車での移動も快適。
静かな雰囲気と独特の潮の動きに、「この島、ひょっとしてパラダイスかも…?」と感じた。
一番のミッション「真鯛捕獲」達成!!
今回の目的は「一つテンヤ行脚の新たな舞台探し」だけではない。
私的にはもう一つ、大切なミッションがあった——それは「仲間に釣ってもらう」こと。
なんとか一本出してほしいという想いを胸に、朝イチに見切ったポイントへ、潮が動き出したタイミングで入り直す。
その直後、「食った!!」の声とともにロッドが弧を描き、待望の真鯛がヒット!
初のショアテンヤ真鯛に「めっちゃ楽しい!」と笑顔を見せる仲間^^
この瞬間、今回の全てのミッションを無事クリア^^v

プラクティスの目的は、あくまで「その現場が行脚撮影に使えるかどうか」を見極めること。
つまり、魚が釣れていても満足せず、潮が効いているうちに次のポイントをチェックし続ける——ある意味“修行”みたいな時間…
釣れても見切る。それを繰り返しながら、一箇所でも多くの「可能性」を掘り起こす。
そして再び、朝イチに潮が合わず見送った場所へ入り直すと、私にも可愛いサイズながら真鯛がヒット!
状況を読み切っての一尾は、サイズ以上に嬉しい価値ある一枚だ。
テンポ良くランガンし、島の可能性を探る

昼食を挟みつつテンポ良くランガンを続け、複数のポイントを丁寧にチェック。
真鯛のアタリこそあったものの、惜しくもキャッチには至らず…。
それでも、5月とは思えないほど魚のスイッチが入る場面が多く、「この島のポテンシャル、まじでヤバい!」と感じたのは正直なところ。
一方で、どのエリアも第一ブレイク付近にアマモが多く、大型真鯛を掛けてからのやり取りには注意が必要だと感じた。
攻略には少し工夫が必要だが、それを乗り越えるだけの価値がある——そう確信できた一日だった。
一つテンヤ行脚、佐木島で本番撮影!6月2日
ついに舞台は決定——佐木島。
撮影のわずか3日前、「行こう!」のひと言で動き出す、いつものドタバタスケジュール…
6月2日、広島県三原市・須波港から朝一番のフェリーに乗り込み、「一つテンヤ行脚」Vol.32の撮影がスタートした!

潮まわりはプラクティス時とほぼ同じ。
朝の上げ潮を狙いながら、前回の感触を頼りにランガンでポイントをチェック。
晴天・無風という最高のロケーションの中、潮と魚が噛み合う瞬間を信じて、見立てた通りの流れで遂行。

針の穴を通すようなシビアな展開
撮影あるある——朝イチはやっぱり苦戦…。
それでも、一人しか立てない“狭き一箇所”で、ようやく魚の気配をキャッチ!
動画を観てもらえば分かるが、キャストコースをほんの少し外すだけで根掛かり多発。
しかも水深があり、潮流も速く、「そのリズムに合わせたシャクリとフォール」が求められるテクニカルな状況。
そんな中、型こそ小ぶりながら、なんとか真鯛を数枚キャッチ!
ただ、エサ取りも多く、アタリの数に対してヒット率が上がらない。
集中力と忍耐が試される時間が、静かに流れていった——。

ロケーション抜群の砂浜で真鯛
昼食後、最終的に選んだのは、プラでも手応えのあった砂浜。
理由はシンプル——残りわずかな活きエビを、一番可能性の高い場所で使いたかったからだ。
撮影時、左から右へ潮が流れるポイント。流れ出しは緩いが、次第に強まり真鯛の潮になる。
ただし、砂浜特有のアマモ帯がブレイク沿いにびっしり…。
真鯛のヒットゾーンはその沖で、限られたキャスト距離の中、5サイクル以内で食わせる必要がある。
その難しい局面を打ち破り、ケイが見事に良型真鯛をキャッチ!
夏を思わせる暴力的な引きに、我々のテンションも一気に上がった。


その後も活きエビが尽きるまで粘り、最後までアマモに苦戦しながらも撮影終了。
アタリの数も多く、真鯛も十分キャッチできたので、全体としては成功といえる一日だった。
ただ個人的には、まだ掴み切れない部分が残る——そんな“課題のある成功”というのが正直な感想だ。
思い残すことあり別の日に1人で再挑戦…
「納得いかなかったら、納得いくまでやり込む」——そこまで自分に強くないので、たまには…
撮影時に回ったポイントを再度チェックするも、アタリは少なく魚っ気も薄い。
そこで思い切って新規エリアをランガン。
潮の通りが良さそうなエリアで、ようやくこの日の初ヒットとなる真鯛(チャリコ)をキャッチ!
その後、昼食を挟みながら次の展開へ。

昼食後、動画後編の砂浜へ移動。
ちょっとだけ戦略を変え、撮影時とは違うアジャスト方法で真鯛捕獲!この方法は、また機会があれば紹介します。

そんな中、同じパターンを再現するも、ランディング直前で痛恨のフックオフ…。
50cmを超える良型だっただけに、撮影時のやり切れなかった記憶が蘇り、脱力感は倍増。
それでも15時発のフェリーに乗るため、深追いはせず潔く納竿した。
上げ潮では苦戦したが、下げ潮では真鯛4枚とチヌ1枚、そして多彩なゲストも登場。
結果としては十分な釣果だったと思うが、まだやれた感が残るのも正直なところ。
テンヤカラーによって真鯛の反応がまるで違う——「テンヤのカラーは超重要」だと改めて実感した、佐木島での一日だった。
今回の「佐木島攻略」ポイント
②各所にアマモ場(藻場)があるので位置を把握し冷静に対処する。
③アピールカラーとナチュラルカラーではヒット率に差があり。
①は上級者向けの攻略法。自信がない状態で無理に行うと、テンヤロストやラインブレイクの原因になるため初心者には非推奨。また、上潮では成立しても下潮では難しいケースもあるため、無理せず状況を見極めて展開すること。
②はアマモの沖がヒットゾーン。エントリーのタイミングを見計らい、アマモとの距離やキャスト距離を計算しながら、限られた“食わせのライン”で掛ける意識を持つ。
③テンヤカラーによる反応差は今回も顕著。この日はアピール系カラーが圧倒的に有利だったが、日によって逆転する場合もある。魚の反応を見ながら、臨機応変にカラーローテーションするのが理想。
今回の動画「一つテンヤ行脚」Vol.32
前編の動画はこちら
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後編の動画はこちら
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この時のタックルデーター
「VR-X 92S LV2」
★【リール】
4000番XG
★【メインライン/リーダー】
PE0.6号200m/フロロ3号1.5m
★【テンヤ】
「超三笠テンヤ」4号
クレイジーオレンジ、ブラックダイヤモンドG
南面の比較的浅い砂地エリアでは、「三笠テンヤ」3号、4号、5号でも十分楽しめる場所があります。ぜひお試しください。
最後に
瀬戸内海・広島県三原市沖に浮かぶ“ショアテンヤの楽園”――「佐木島」いかがだったでしょうか。
おそらく、これまで訪れた島の中でも際立って穏やかで、時の流れがゆるやかに感じられる特別な場所。
島の人々も温かく、驚くほど釣り人が少ない――まさに、手つかずのパラダイスでした。
そして何より、この島には真鯛をはじめとする魚たちの生命感が溢れています。
ショアからの一つテンヤを愛する“ヒトツテンヤー”なら、一度はこの海に立ってほしい。(「ヒトツテンヤー」とは、こよなく一つテンヤを愛する釣り人)
きっと、自然と真剣に向き合う時間が、あなたの釣りをもう一段階深めてくれるはずです。
いつも最後までお読みいただき、ありがとうございます。
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癒しの真鯛島とも言える「佐木島」に匹敵するほどポテンシャルが高く、休憩スポットや飲食店も多い快適なフィールドがあります。ショアテンヤの腕を磨くなら、ぜひこちらの島にもご挑戦ください。👉【アートの島は真鯛の宝庫】直島!ショアテンヤのヤバいポテンシャル!!
また、今回登場した「三笠」の仕様については[公式ページ]にまとめています。
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