今回の記事は、瀬戸内海のさらに深部──水深165mラインで挑んだ“ディープ・パワーテンヤ”の実釣検証レポートです。
瀬戸内海のディープでは希少な高級魚 「大型のクログチ」 を狙えることで、仲間内で注目を集めました。
深海域は、水圧・潮流・エサ持ち・テンヤ重量など、通常の一つテンヤとはまったく異なる、“別次元の釣り” です。
それでもこの領域に踏み込む理由はただひとつ──ディープパワーテンヤにしか味わえない魅力が詰まっているから。
興味がある人は、ぜひ最後までお付き合いください。
きっかけとなった瀬戸内ディープパワーテンヤ
このディープゲームに本格的に挑んだ原点は、忘れもしない2021年2月。瀬戸内海で初めてクログチを狙ったパワーテンヤ撮影でした。
当時はまだタックルも技術も最適化されておらず、底取り・エサ持ち・テンヤ操作……すべてが手探り。それでも、かすかな手応えが確信へと変わり、ディープテンヤの可能性が一気に開いた瞬間でした。
あれから約3年──タックルは進化し、テンヤは洗練され、操作理論も体系化。そしてついに今回、現時点での最終形態とも言える装備で、再びクログチの聖域へ挑むことになったのです。
凪の朝に「クログチ」が潜む瀬戸内深海へ!
時化れば入れないクログチ海域。今回も例によって、時化魔人TG部長 vs 凪魔人・田中 の戦いが勃発。しかし、連勝の風は田中に吹き、凪勝利 → 無事7時前に出船!

今回もお世話になった船は、「第八 中吉丸」中村船長。
平日でも予約が埋まる人気遊漁船!
ディープパワーテンヤで重要な3要素
パワーテンヤの歴史は約8年。試行錯誤の末、ディープでは特に以下の3点が核心となる。
②ロッドの性能──ディープパワーテンヤの要となるVRKB-LV2が中枢
③エサの持続性──一流し持つエサが必須条件
特に③が最重要。160mから回収してエサ付け直しは 非効率すぎる。
そこで行き着いたのが「スルメゲソ × 孫鈎ダブル仕様」。
スルメ胴体を親鈎、ゲソを孫鈎プレミアム×2本で保持。
この構成にすることで、
✔1流し複数バイトに耐える持続力
✔エサ落ちリスク低減
✔深場でもテンヤ操作が成立
まさに ディープ専用チューニング。

静寂を破る「クログチ」初弾!一気に流れが変わる
8時過ぎに現着。水深は160mからスタート。潮は素直で底取りは想像以上に快適。
誘いは以下を基本軸に組み立てた:
🌀 底〜1m以内レンジキープ
🌀 「リフト&フォール」+ときどき ステイ
本命「クログチ」3人同時ヒット!!
開始から約1時間、沈黙を破ったのは私。
クログチ特有のヘッドシェイクを連打し、ドラグを出す重量感……本命濃厚。
その直後、TG部長にも再バイト、後方のユッピにもヒットし、まさかの…


瀬戸内ディープでのトリプル同時ヒット!は鳥肌モノ。
3人の笑顔がすべてを物語る。

パターン再現で「追撃のクログチ」
中村船長が船を微調整しつつ、再度同じ硬い地質ラインへ。すると再び…
「グンゴンッ!」
リフト&フォールで再現性ある2本目のクログチを捕獲。

ここで田中は気付く:
🟠 クレイジーレッド → 反応鈍い
🟠 予備の クレイジーオレンジ に変更 → 正解
ただし、その読みが慢心を生み、のちに悲劇が訪れる…。
“痛恨の2バラシ”からの救済劇
田中、完全に釣れるイメージを掴み、3本目ヒット → 即バラシ。
さらに次のバイトもフックオフ…。
原因:
⚠ フッキングが半呼吸早かった
⚠ ロッドでアワせに行ってしまった
深海は誤魔化しが効かない。雑さは一瞬で露呈。
しかしここで終わらないのが皆さんの底力。

🌊 Yさん → ミニサイズのクログチ
🌊 Tさん → 良型クログチを回収しフィニッシュ!

テンヤで吐き出された新鮮なカタクチイワシが印象的で、捕食レンジの奥深さが妄想を掻き立てた…。

正午前、予定通り無事に撮影が終了。
船上ランチは至福の「ビーフシチュー」
戦後の余韻を噛みしめながら、料理長特製の船上ビーフシチュー。
釣り以外の時間も大切にするのがこのメンバーの良いところ^^

今回の動画
今回のポイント
瀬戸内海でのクログチを狙ったパワーテンヤの集大成。しかし、どの海域のディープの基礎となる。
②レンジ管理──常に底〜1m以内をキープ
③フッキング──ロッドではなくラインで掛ける意識
この時のタックルデーター
フラッグシップモデル「VRKB-LV2」【リール】
ベイト200〜300番クラス【メインライン/リーダー】
PE1.0号300m〜/フロロ5号2m【一つテンヤ】
「超三笠テンヤ」MAX(タングステン製30号)
クレイジーレッド、クレイジーオレンジ、COゴールド【エサ】
スルメイカの切り身(胴体とゲソ)
ディープ領域では、ロッドとテンヤとエサの3要素がとても重要。この3つの内どれか一つ欠けると多大なストレスがかかるので、慎重に吟味して挑みましょう。
最後に
瀬戸内海・水深165mでの“ディープ・パワーテンヤ”、いかがだったでしょうか。
これは偶然釣れた一本ではなく、総合力で再現性をもって獲りにいった結果です。
瀬戸内、そして日本海・太平洋で蓄積したデータが統合され、ひとつの到達点に触れた感覚があります。
この先さらに深度を追うのか、あるいは別のディープターゲットか──
答えはまだ分かりませんが、この超ニッチな領域に共鳴してくれるヒトツテンヤーさんがいると信じています。
いつも最後までお読みいただき、ありがとうございます。
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かなりニッチな瀬戸内海のディープパワーテンヤ「クログチ」ゲームとは別に、太平洋近海でパワーテンヤを展開した実釣レポートも公開しています。海域やターゲットこそ違いますが、誘いの組み立て方、エサの種類と付け方、テンヤ運用の考え方は応用が効きます。本記事とあわせて読むことで、さらに引き出しが増えて、より有利にパワーテンヤを展開できると思います。👉【TG30号の一つテンヤで挑む】高知近海・高級魚パワーテンヤ実釣レポ
また、今回登場した「超三笠MAX」の仕様については [公式ページ]にまとめています。ご購入を検討される方は、公式ECサイトからご覧いただけます。



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